『黒沢清の全貌』再読。YouTubeでなんとなく黒沢清のトークショーとか見てた流れで。

某日、びみょうに風邪っぽいのかなということで、まぁお正月以来ずっとひきこもっていたのでコロナ的なものではないと見当はついていたものの、葛根湯を飲んだり生姜あんかけ蕎麦を食べたりしておとなしく寝ていることにして、枕もとのChromebook(古いPCを再生したやつ)でYouTube黒沢清トークショー動画などいくつか見ながらうとうとしていた。
www.youtube.com
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まぁ、このぐらい見たら、『黒沢清の全貌』も再読して見たくなるであろうということで。
以前、読んだときは、じつはピンときてなかった。というのも、基本的にインタビューor対談集で、雑誌で読んだことあるのもあったし、そうじゃないのもあんまりつっこんだ内容じゃないのかな、と感じていたから。まぁでもひさびさに再読したら、このぐらいのかんじかな、という気にはなって、けっきょく全部読み直した。いちおう『LOFT』以降『散歩する侵略者』までの作品についての発言が読める。

ちなみに上↑に貼った黒沢清トークショーのどれかでおこなわれてた質疑コーナーの答えで、なるほどと思ったのは、たしか『神田川淫乱戦争』のアイディアのさいしょが、神田川に降りてみたら見たことない風景だったから、という話の流れで、作品の発想はそういう感じで生まれるのか、みたいな質問だったと思うのだけれど、(たぶん回答の発言が動画編集されてるので違う話の流れだったかもしれないのだけれど)、「シーン」というものについて。演劇は、3幕とかの場合もあるけれど極端にはひとつのシーンだけで成立することもある、それに比べて、映画というのは極端にたくさんの「シーン」でできている。平均1-2分の「シーン」が80シーンぐらい集まってひとつの作品が出来上がる、というはなしをしていた。言われてみればそうだ。そうすると話の流れ的にどうつながるかってことだが、(動画の中では直接そういう風には言ってなかったけれど)たとえば一つの印象的な「シーン」を撮りたい、というアイディアがあったとしても、それだけで作品ができるわけでは全然なくて、いろんな場所で大小いろんな「シーン」を撮ってそれを組み合わせることではじめて映画というのが成立するのだ、したがって「作品の発想が生まれる瞬間」というのは、まぁ、映画を撮ることの全体からすれば、たいしたことではなくて、ひとはしばしば監督の直感みたいなものだけに注目してしまうから「作品の発想が生まれる瞬間」なんかが気になるのだけれど、まぁべつにそれはどうでもいいことなのである ー とまでは動画の中では直接言っていなかったけれどそう言うことなのかな、と思い、なるほどと思った。

『楳図かずお恐怖劇場 絶食』みた。

『蟲たちの家』と2作セットになってたので見た。67分の中編。うーん、原作を読んでないのでなんともいえないけれど、たんじゅんな仕掛けのはなしを語るテンポがおそいのではないか、という気がする。

特典映像に、46分の「短縮版」が収められてた。カギとなる場面に何分で到達するかを確認しながら早回しでざっと見たけど、まぁ少なくともこのぐらいにはなるだろうし、たぶんもっと短くてもいい。ていうか、この作品の見せ場を考えると、ゴアシーンが見せ場になるしかないつくりになってるんだろうし、メイキング映像を見ても美術さんが力を入れて作りこんでくれてるわけなので、不必要な場面をもっと削ったうえで、そこをもっとしっかり撮ってしっかり見せるべきなんだと思う(けれど編集で一瞬しか見せずにあっさり流しているし、たぶん撮影そのものもあまり撮ってないんじゃないかな)。

『楳図かずお恐怖劇場 蟲たちの家』みた。

黒沢清ということで。51分の中編。回想(というのかフラッシュバックというのか)を多用して、ぼーっと見てると現在時点がどこかがわからなくなる(ので見直した)。そういうことをすると物語がトントン進行するのが妨げられて時間が停滞してしまうのだけれど、本作は、だからそういうおはなし。西島秀俊緒川たまきが夫婦で、一軒家に住んでる。緒川たまきが従弟の青年に助けを求める。西島秀俊は猜疑心が強く暴力をふるい自分を家に閉じ込める等々。いっぽう西島秀俊は後輩女子に緒川たまきの様子がおかしい、妄想的だ、家に来て見てほしいと言う。この時点でつまり、西島目線と緒川目線で異なる現実(ないし妄想)が描かれることになる。同じ(あるいは少しずつ違う)シーンが繰り返し回想され、なにが現実なのか妄想なのか(誰の妄想なのか)よくわからなくなる。緒川たまきは虫になって急な階段を上がった二階の部屋から出てこなくなってしまうが、その妄想に西島秀俊も加担しているようにも見える。
『映画のこわい話』に本作をめぐって楳図かずおとの対談が収録されている。見終わってから読み返してみると、ふつうにちゃんと指摘すべき点を指摘している。撮影時に本当に降った雪のシーンのこと。蝶のこと。撮影を行った家屋のこと(空間の広さとそこで起こるドラマの広がりについて、漫画と映画との条件の違いについて)、俳優について(なんでもない人を演じるのがうまい西島秀俊と、緒川たまきの非現実性の対照のバランスでこの作品の世界を描けないか等々)、そして結局のところこの物語はいったいなんなのかということについて。

自分むけにCOVID-19関連について現時点でどう考えることにするかをまとめておく。(その26:1/5-)

 年明け。年末年始には検査とか報告とかが抑えられぎみになるわけで、それは通常、週末から月曜が最低値になるのと同じ理屈なので、三が日が明けて、その翌日の、さらに次の日(つまり通常、月曜日に最低値になってから火曜日にドンと最高をマークする、というルーティンになぞらえられる)つまり今日が、年末年始の答え合わせの日、ということになる。さてどうなったでしょう。
news.yahoo.co.jp
はい、「西日本を中心に12県で最多更新」であると。まぁそれはしかしそうなるでしょう。

厚生労働省が5日に発表した新型コロナウイルスの新たな感染者は、西日本を中心に12の県で過去最多を更新するなど、全国で22万6904人となりました。

厚生労働省によりますと、5日午前0時までに報告された全国の新たな感染者は22万6904人で、先週木曜日(先月29日)と比べ3万4841人増えました。

群馬・岐阜・島根・岡山・山口・香川・愛媛・佐賀・熊本・大分・宮崎・鹿児島の12の県で過去最多を更新しています。

また、全国で亡くなった方の報告は334人、重症者は4日より35人増えて650人となっています。

一方、東京都内の新たな感染者は2万735人で、先週木曜日と比べて2363人増えています。

全国、東京都ともに年末年始で減っていた検査人数が以前の状態に戻ったことで、感染者数も増えたとみられます。

「西日本を中心に」というのも想定内で、第8波のさいしょは北海道・東北がたいへんだったけれど、そこらあたりはもうピークアウトして、いまは九州が上位を占めている(あと山陰だけど、島根は微妙にピークアウトの気配もあるかも)。NHKのサイトの「直近1週間の人口10万人あたりの感染者数」が簡便である。
www3.nhk.or.jp
で、上の記事で読むべき点は最後の一文、「全国、東京都ともに年末年始で減っていた検査人数が以前の状態に戻ったことで、感染者数も増えたとみられます」というところで、まぁ、それはそうだなという。
グラフで見ると、またもう少し印象が違うわけである。
vdata.nikkei.com
日経のサイトを見ると、こんなかんじのグラフ。

まぁ、年末からのグラフの動きからして、今日の感染者数は、ちょうどこのぐらいかなぁ、というところに収まっているようにも見えなくもない。まだ増加傾向にありそうではあるけれど、指数関数的に加速度的に増えていきますという勢いはなさそうで、むしろ増加の勢いは落ちているように見えなくもない、ピークが見えてきそうに見えなくもないかんじ、に、見えなくもない。
ただ、正月明けの1日目だけ見ていて油断してもしかたないし、油断できる状況ではぜんぜんないわけだから、ここ数日とくに注視すべしの状況とは思う。
淡々と現状の「10万対発生数」を…と思ったけれど、NHKのサイトはまだ今日のドンと出た数字を反映していないので明日以降にしようか。

あと、この年末年始の話題としては、「XBB.1.5」ってのがアメリカで流行、おっつけ日本にも入ってくることを想定すべしということ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/3bd6c430d67f2b24e30513e6269d0f96435730ebnews.yahoo.co.jp
まだ全容はわからなくて、どうやら感染力がさらに上がってるようだ(なので従来の型をおしのけて覇権を握るわけである)。重症化しやすくなってるかどうかはまだ見えてこないようだ。まぁ注視すべしということだろうね。

1/9.
三連休。年末年始からだらだらとひきつづくようにしてまた三連休だったため、感染者数の実態がなかなか見えてきにくいところだと思う。今日あたりの「直近一週間の人口10万人当たり新規感染者数」を見たところで、1週間前はお正月だし、いまも連休中なので、あまり正確な数字が出ているとは思えない。という前提で、まぁしかし一度、参考メモまでに書いておきましょうか。「10万対発生数」をNHKのサイトから。東京739.83、大阪900.29、兵庫941.24、京都787.83、奈良926.41。まぁ、あくまで参考値ですな。たぶん、もう一週間ぐらいたってみないと、おおよその規模感がみえてこないというところはあるだろうなと思っている。
ちなみに、おおよそ「一年前」の年末の様子はこんなかんじだった。

12/22.
はてさて、全国の数値と、それからとくに東京とかの数値が再上昇に転じたといよいよみんなが言うようになってきた、けれど、そのことと、オミクロン株というはなしが同時並行的に流れている。オミクロン株は、いまのところはたぶんまだ水際対策がほぼできている範囲内ってことだろう(沖縄の米軍基地クラスターが心配ではあるけれど)。ただ、市中感染が始まると垂直立ち上げ的に感染が広がるという海外の例を見せられているので、これは「いまか、いまか」と息をのんでハラハラしてるかんじ。だけどまぁ、これはそれ以上に考えようがない。
で、従来株のいまげんざいの国内の感染状況に関して言うと、これは思ったよりはずっとましと感じる。自分的には、ここでは、前の記事の10/1のときから、10/31にも11/27にも、この記事の12/11にも、下げ止まりじゃないかとずっと思ってたわけで(まぁそれは基本的にははずれてないとおもうんだけれど)、でも実際の感染状況はそれからもなかなか完全には下げ止まらず、だらだらと下がり続け、ようやくそろそろ再上昇がはっきりと見えてきたぐらい。11/17には「「10万対発生数」が、東京0.9、大阪1.8、兵庫1.0、京都1.1、奈良0.5、ってところ。きつかったときの100分の1ぐらいか。」と書いてて、11/27には「れいによって「10万対発生数」をみると、東京0.8、大阪1.0、兵庫0.6、京都0.6、奈良0.2、ってところで、つい10日前に上↑で書いた時よりさらに下がっている」と言ってるけど、いまは東京1.1、大阪1.0、兵庫0.8、京都0.9、奈良0、ってところで、まぁ上がってきてるけれど思ったほどではないし地域によっては11月半ばよりまだましってところもある。この状態で年末年始をなんとなく切り抜けることができれば、第6波はうまくかわせるのではないか…というのが従来株の感染状況だけみたときの希望的な心証なのだけれど、まぁ、じつはそんなことを思っていてもあまり意味はない。なぜかというと、オミクロン株がいずれ遠からぬ将来に国内で市中感染を始めるだろうから。

そして「去年の」1/4の記述は、

さて、三が日が明けたけれどまだ本格稼働ではないかな? ともあれ、大みそかに↓このように書いてたが…

みそかの夜の時点の数字を。「10万対発生数」が、東京2.7、大阪3.5、兵庫1.4、京都4.7、奈良1.3。実効再生産数で見ると(これは東洋経済のサイトのほうの数字,12/30時点)、全国1.4、東京1.43、大阪1.62、兵庫1.52、京都2、奈良2.93。
よいおとしをということになるね。

本日、1/4の夕方時点で、「10万対発生数」が、東京4.6、大阪5.9、兵庫1.9、京都6.2、奈良4.1。実効再生産数で見ると(これは東洋経済のサイトのほうの数字,1/2時点)、全国1.48、東京1.57、大阪1.81、兵庫1.13、京都1.73、奈良3.25。

とまぁ、
おおよそ現在の100分の一かそこらの数字だったのですな。遠い目になるね。夏にデルタ株の第5波があり、そのさなかにワクチン接種が始まって進み、秋から12月にかけておおよそ少しずつ感染が収まり、なんと10万対発生数が一桁になっていたんである。
もしもオミクロン株が出てきていなければ…と考えたくもなりそうだけれど、そういう考え方にはあまり意味がない。遅かれ早かれ変異は起こるわけだし、それはこれからも同じことだし。

1/15.
記事のマークだけしておく。1年前に登場したときから、オミクロン株の感染力が強いというはなしだったわけだけれど、ひとつには、唾液飛沫でエアロゾルになるウイルスが従来株より多くなるんだったんだよ、というおはなし。まぁな。まぁ、感染力が強いということのメカニズムはいろいろありそうなのでこれだけとはいえなそうなのだけれど。ともあれ、マスクと換気が重要、というオチは変わらず。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7e1ecbd150cffa384f01cae4ba170b55bd8a5dc7news.yahoo.co.jp

オミクロン患者のつばに飛びやすいウイルス デルタや従来株より多量
1/10(火) 12:30配信 朝日新聞デジタル
 
 オミクロン株に感染した人の唾液(だえき)の中には、従来株の感染者に比べて、遠くへ長時間飛びやすい状態の新型コロナウイルスが多量に含まれていることを、日本大学などの研究チームが突き止めた。感染の波が続く要因とみられるとして、チームは換気やマスクが今後も重要だと指摘している。

 変異株であるオミクロン株は、昨冬に国内の第6波を引き起こして以降、第8波の現在まで流行の主流となる状態が続く。

 一昨年夏の第5波を起こしたデルタ株よりも、気管支の細胞で増殖が早いなどの性質が知られてきたが、細かな飛沫(ひまつ・しぶき)によるエアロゾル感染の原因となり、PCR検査にも使われる唾液中に、どのような状態で含まれているのか、詳しくわかっていなかった。

朝日新聞社


1/18.
年末年始と三連休とがいちおう過ぎて、ぼちぼち通常運転のデータが見えてきたかものタイミングで「10万対発生数」をNHKのサイトから。東京540.95、大阪711.97、兵庫776.74、京都690.86、奈良751.09。まえに1/9に書いた時より少なくなってるので、微妙にピークアウトの気配が出てきていると見れるか。
vdata.nikkei.com
例によって日経のサイトのほうでグラフを見るとこんな感じ。

まぁこう見ると、ピークアウト感はあるね。全体としてはまだまだ多いし、暗数もいよいよ大きそうな気もするし、また、地域によってまちまちではあるけれど、まぁ、もうひとがんばりというかんじか。というか、べつに昨今はがんばったからピークアウトするというよりは単に無策のためにそこらじゅうが焼け野原になってピークアウト、というかんじかとは思うけれど、まぁいずれにせよ。

1/19.
西浦先生の記事。
「第8波はピークを打ったが、凪は続かない。救急逼迫はしばらく続き、休む間もなく第9波へ」
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続きの記事は1/20付。
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最終第3回の記事は1/21付。
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1/20.
ニュースとしてはこれをはりつけておく。
「【速報】新型コロナ「5類」移行へ 岸田首相が検討指示 今春にもインフル並みに」
https://news.yahoo.co.jp/articles/7d9240cffe333c2aa209d19d7930e1af0d2275f7news.yahoo.co.jp
このあたりのニュースは、基本的にうんざりさせるものだけれど、まぁ記録としてマークしておく。
しかしなにがかなしゅうて岸田に「マスク着用の考え方」をさしずされなあかんのや、と思うよねえ。
コロナの当初に一番学んだことの一つ(ここの欄にもさいしょのほうで書いた)は、

自分が買ってつけてるマスクは目の前の人や社会の人々のためのマスク。
自分を守ってくれるマスクは目の前の人や社会の人々がつけてるマスク。

ということ。
マスクに関する基本的な考え方は、この欄の「その4」(2020/4/17)に書いてる(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2020/04/11/135824)。そのときは、マスク不足でどこにも売られていなかったことと、あと、その時点ではとくに上記の「マスクは自衛のためではなく自分が人にうつさないため」という考え方 だ け だったことが、いまとはことなる。いまは、そこに加えて、自分のために も ある程度の効果がある、ということが分かっているわけで、まぁそのおかげでマスクを確実につける人はたぶん増えたんだろうけれど、逆に、マスクをつけることが個人の自由であるとだけしか考えられなくなりやすくなってしまった、マスクをつけないことが個人の中での選択肢としてしか捉えられなくなった、ということはあるんじゃないかと思うなぁ。

1/21.
忽那医師の記事。
news.yahoo.co.jp

1/26.
ずっと発熱外来の現場からコロナに関する情報発信をしている(けれどある時期以来自身のTwitterアカウントを閉じて、「レター」という形で時々放流している)丼先生が、ついにコロナに被弾してしまったというのを見つけて、うわーと思う。
しかも、ご本人曰く、オミクロン株の標準的な潜伏期間から逆算して、職場で感染したのではないであろう、休日に、すると心当たりはスーパーに行ったときに高機能じゃない普通のマスクだったためじゃないか、と。それでマスクについては、屋外では普通のマスクをつけて、屋内とか交通機関とかだと高機能マスク(JIS規格で医療用クラス3のもの)を使っていたが、今回油断して地下のスーパーに普通のマスクで行ったのがいけなかった、失敗だった、といっている。うーん、これはきびしいなあ。その高機能マスクというの、Amazonでみたら30枚入りで2350円のもので、まぁ1枚80円ほどってかんじで値段的にはすごく割高というわけでもないのだけれど、すくなくとも医者ではない普通の人が全員使うというわけにはいかないだろう(供給量的な意味でも)し、しかし普通の人は普通に電車に乗ったりスーパーに行ったりするのに普通のマスクを使うわけで、それを失敗だったと言われるようだとちょっと気がめいるな。しかし、ふつうにかんがえて、症状を自覚し始めた日から「オミクロン株の標準的な潜伏期間」を逆算したら仕事日にあてはまらなかったことのほうをまず疑うという可能性はないのかしらとも考える。だって発熱外来というところは確実にウイルスの真っただ中なわけで、朝から晩まで厳しい感じの患者さんと対面して仕事をしているわけで、もちろんお医者さんやスタッフの人たちは万一にも感染しないように厳重な防護をしているのだけれど、しかし、それにしてもまずはそこを考えないんだろうかしら、とも考える。そのあたりはしかし、レターに書かれていないいろいろな根拠があって職場ではなくスーパーでの感染を推定しているのかもしれない。また、まぁ人は誰でも自分(やだれか)が災難にあう(あった)のは特に普段と違うミスをする(した)ときのせいで自分の普通は安全だ、と考えがちになるバイアス、というのはありそうで、お医者さんは職場の防護策のルーティンを疑うよりは普段と違うやり方でスーパーに行ったというエピソードを決定的に気にするだろうし、わたくしは私自身の日常と同じに見える部分を疑うよりは発熱外来のタフな職場の特殊性のほうを気にしたくなる、というわけだろう。…とこのくらいの湯加減で考えないと精神のバランスはなかなか回復しないってところはあるわけだが、ともあれ、わたくしはたぶんこれからも普通の(スーパーで売ってる50枚300円とかの)マスクを使って日常生活(電車に乗ったりスーパーに行ったり)を送るだろうなあと思う。値段的にはまぁ別に買えるのだけれど、しかし、いやまぁ、お医者さんにはお医者さんの職業があるように、こっちはこっちで、学生さんたちにマスクをしろ換気をしろとは言えるが医療用クラス3のマスクを欠かすなとは言いづらいわけで、ならば自分だけ助かろうともしづらいっていう心情もある。

1/28.
ニュースを貼り付ける。
「コロナ 5月8日に「5類」決定 マスク着用 個人の判断に」
https://news.yahoo.co.jp/articles/1cdba531992e55f6a2748730314661c4b337304bnews.yahoo.co.jp

岸田首相は27日、新型コロナウイルス感染症法上の位置づけについて、ゴールデンウィーク明けの5月8日に、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることを決定した。

岸田首相「5月8日から新型インフルエンザ等感染症から外し、5類感染症とする方針を確認しました」

岸田首相は、新型コロナの治療にかかる医療費の公費支援について、患者の負担が急激に増えないようにするため、期限を区切って継続する方針を示したうえで、3月末で期限を迎えるワクチン接種については、「必要な接種については、引き続き自己負担なく受けられるようにする」として、4月以降も継続する方針。

また、マスク着用については、「屋内・屋外を問わず、個人の判断にゆだねることを基本とする」と述べ、一律のルールは設けないとしている。

岸田首相は、「あらゆる場面で日常を取り戻すことができるよう、着実に歩みを進めていく」との方針を明らかにした。

うんざりだよなあ。
上にも再掲した通り、

自分が買ってつけてるマスクは目の前の人や社会の人々のためのマスク。
自分を守ってくれるマスクは目の前の人や社会の人々がつけてるマスク。

なわけである。
したがって、マスクをつけるかどうかの「判断」の内容は、「目の前の人や社会の人々を守るかどうか」であるはずだ。
新型コロナウイルスというのは、感染症であって、しかも、感染力が極めて強く(オミクロン株の基本再生産数の推定を平均9.5としている研究の紹介 https://pediatric-allergy.com/2022/08/07/omicron-variant/2/ )いまだにコントロールができていないものである。
えーとつまり、仮に「全く何も対策をしなければ」、自分が感染したら10人ぐらいに感染させる、というウイルスだ、という言い方もできるんじゃないかな。
なので、コロナ対策というのは、「公衆衛生」という枠組みで行われるべきだし、そのようにやってきたわけである。
で、その「目の前の人や社会の人々を守るかどうか」を、「個人の「判断」に任せる」とはどういうことなのかいなと思う。
その「個人」というのは、ちゃんと自分がどんな内容を「判断」することになるのか分かったうえで「判断」するのだろうか、と考えると、みんなができりゃあいいんだけれど、まぁなんというか、残念ながらそうはならんだろうなあと思う。自分が症状軽くて済むかどうかだけについて考量して「判断」するんだろうなあ。これは医学とか医療とかの問題ではなくて、「公」という水準でものを考える人間を作ることができなかったし、3年間かけてもけっきょくごく単純な科学的事実(だと思うんだけどなあ)を認めることができずに、ただたんに「お上の言うことを聞く/聞かない/お上の命令が緩んだら自分の欲が認められたとする」という次元でしか思考しない人間をつくることしかできなかったという、純粋に教育の失敗を目にしているんだろうと思う。

1/29.
マスクについて忽那医師の記事。冷静に情報提供すべしだなあ。ぼやいてもしょうがないよなあ。
「「個人の判断」に委ねられたマスク着用 着けるべき場面や状況についての考え方」
news.yahoo.co.jp

マスク着用を「個人の判断に委ねる」という政府の方針は正しいのか?
新型コロナの流行初期からマスクの着用については日本国内では義務ではなく、屋内での装着を「推奨」という位置づけでした。

ですので、個人の判断に委ねるというのは、これまでの方針と大きな齟齬はないのではないかと思います。

私自身は、各自がそれぞれの場面における感染リスクを理解し、マスクを着けるべき場面、着けなくてもよい場面が適切に判断できるようになることが重要であると思いますので、「5類になったら屋内のマスクは廃止」などとするよりは、こういった個人の判断を尊重するという政府の方針はとても良いことかと思います。

ただし、全ての人が適切にマスクを着ける場面、外す場面を理解することは難しく、どうしても個々人の理解には差が生じます。

また、人によって感染リスクの捉え方は様々であり、できる限り感染することを避けたいという人もいれば、ある程度の感染リスクを許容してでもマスクを外してのコミュニケーションを優先したいという方もいるでしょう。

マスクを着けたくても皮膚が荒れたりといった理由で着けられない方もいらっしゃいます。

この辺りは、人それぞれに考え方や事情が異なるところかと思いますが、マスクを着ける人、着けない人がお互いを尊重しながら緩和を勧めていくことが大事かと思います。

それでは、各自が自身の判断でマスクの着用について考えるためのポイントをいくつかご紹介したいと思います。
 
マスク装着は「周りに感染を広げないため」の感染対策
・・・
 
「海外ではマスクを外しているから日本も外すべき」は正しいのか
・・・


西浦先生のTweetをスレッドで。



1/31.
岡部先生の記事。
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なんとなくいつも当たりがマイルドな岡部先生。でも言ってる内容そのものは、もっと当たりの厳しいひとたちと特に違うことを言っているわけではないのだった。うーむ。このタイミングで、ひとびとが緩い空気感だけでなしくずし的に、雪崩を打って動くんじゃないかと、自分は不安に思ってるわけで、そういうときに、内容そのものは正しくても緩い空気感をメッセージとして出してしまうことにならんのかと、まぁ不安になるよなあ…。

2/19.
しばらく時間がたった。おおよそ全国的に感染は縮小しつつあり、また、縮小の勢いは小さくなってきているので高止まりと言えば高止まり、しかし、マスクを外せなり法的な位置づけを変えるなりの話は出ていて世間的には空気感的に「コロナは終わった」の空気感が目立っているように見える、というあたりが現状。数字を。「10万対発生数」をNHKのサイトから。東京68.13、大阪104.69、兵庫122.91、京都93.52、奈良116.12。東京が全国45位、京都が全国40位、というかんじで、東京も関西も、まぁ収まってきている。ちなみにこの第8波で上位を続けていた山陰が現在、島根216.35、鳥取210.15で1位と2位を独占している。まぁ、それにしたところで下がっては来ているのだけれど、下げ止まりが少し早いというか。人口10万人あたり100人だと、単純に1000人に1人という計算、暗数を多めに考えて仮に×10とすると100人に1人。このあたりの数字を自分としてどのぐらい気に掛けるか、ということではある。自分的には、まったく気にしなくていいとまでは感じられない。
さて、Buzzfeed岩永氏の記事。このタイミングで、この3年間にルーティン化してきた「感染対策」を総括して、必要なものをやりつづけつつ無意味なor費用対効果的にやらないほうがベターなものは省略を考えられるよう、仕分けしましょうという連続記事。
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『コンフィデンスマンJP英雄編』みた。

お正月にテレビでやってたのだが、ちょうどこのまえ劇場版第1,2作を見てたので(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2022/12/24/100824)、ちょうどいいってことで見た。まぁふつうにおもしろく見て、まぁ弱点もだいたいいつもの通りで(つまりとくに劇場版になりさらに回を重ねるごとに)、作品の規模が大きくなるほど、つまりようするに詐欺が大掛かりになればなるほど、さいごの全部ウソでした〜というのも大掛かりになるわけで、そうすると極端な話、ほぼ作品の世界観そのものも実は大掛かりな嘘でした〜とさえ、少なくとも潜在的には、なりうるじゃないかというふうに見えてきてしまうわけで、まぁそんなことをいえば映画なんてそもそもお芝居なわけだから、というところにほとんど行きつきかねない危険が出てくる、まぁもしそうなってしまうともうなんでもありになって収集がつかなくなって面白くなくなってしまう、かなりきわどいことをやってしまっているわけである。そこでまぁじつは重要なのが東出昌大で、しばしばこのお人好しのボクちゃんが虚構の世界の現実性をピン留めしているという仕掛けなのだと思う。

帰省の汽車で読み始めてた『スピノザ』。お正月の読書。とてもよかった。

年末に帰省をしたとき、電車に乗る前の時間つぶしに書店に入って『ミシェル・フーコー 権力の言いなりにならない生き方』『スピノザ 読む人の肖像』を購入、往路で『フーコー』のほうをさらっと読み、復路で『スピノザ』を読みかけてたのだった。それで下宿に戻ってから続きを読んだ。お正月の読書でスピノザ、というのは、気分が出る。
この著者の人は『ドゥルーズの哲学原理』( https://k-i-t.hatenablog.com/entry/20151009/p1 )で最初に見たのか、だからドゥルーズが専門の人かとばかり思っていたのだけれど、後書きによると修論も博論もスピノザ論だったということで、こちらが本業なのだった。『来たるべき民主主義』もたしか読んでたと思うのだけれど、それはたしかちょっとぴんとこなかった。で、『中動態の世界』(https://k-i-t.hatenablog.com/entry/2019/12/13/162618)は思いの外よかったという記憶があって、しかし、その後その本を引いてやたら「中動態」というワードを使う人がたくさん出てきてそれはほんまかいなと思っている。NHKの「100分で名著」のスピノザのときもこの人だったと思うけれど、まぁそれはあの番組なので、ふうん、まぁねえ、というかんじだった。というぐあいで、じつはこの本にもあまり期待してなかったんだけれど、読んだらよかった。読みやすいし、なんかスピノザの著作の一つ一つををていねいに解説してもらっているかんじで(厚い本なので、ていねいに解説してもらってる感がある)、たとえばこれをもういちどゆっくりと読書会とかしたら勉強になるかなあというかんじ。
また、読みながら、
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とかメモしていたのだけれど、『神学・政治論』読解の章の、ホッブズ批判や政治的/宗教的な契約のロジックや意志論を読みながら、以前、校則の法源論の二重性(近代的成文法体系/教育条理)を考えたことや、秩序/規則/権力/いじめ/責任の構図について考えたことを思い出した。そのあたりと読み合わせつつもう一度読み返す、というのもあるなあ等々。

fitbitの認証が通らないなあと思ったら、「PCとの同期を終了」の記事がみつかったが?

朝、いつものようにfitbitを同期しようとPCのfitbitソフトを立ち上げたら、「認証されません」の表示。あれ、と思ってなんどか試行錯誤してみたり、まぁTwitterで同じ症状の訴えがないかを見たり(みあたらなかった)、いろいろやってみたけれどうまくいかない。とりあえずスマホのほうで同期したらできたのでひとまずそれでいいとして、もういちどGoogleで検索してみたら、こんなニュースが出てきた。
記事自体は去年の8月の日付で、FitbitがPCとの同期を10月に終了する、という内容。
news.yahoo.co.jp

Fitbit、PCとの同期を10月に終了。PCからの音楽転送も利用不可に

2022/8/8(月) 18:29配信
Fitbitがサポートページを更新し、10月13日に「Fitbit Connect」を利用したPCとの同期機能を廃止することを明らかにした。これに伴い、PCからの音楽転送機能も利用できなくなる。
 
今後はスマホとの同期のみに
記事執筆時点(8月8日)で日本語のサポートページに記載はないが、英語のページには10月13日にFitbit Connectでの同期オプションを削除し、同期にはモバイルのFitbitアプリを使うようにとの記載が追加されている。

現在Fitbitデバイスを利用しているユーザーの多くは、スマートフォンと連携していると考えられるため、実際のところFitbit Connectの廃止自体は大きな問題ではなさそうだ。ただし、これに伴いFitbit Connectを利用した音楽転送も利用不可となるため、こちらは多少影響があるかもしれない。

Fitbitの一部デバイスでは、デバイス内に音楽を保存したローカル再生に対応しており、音楽自体はBluetoothイヤホンなどで聴くことができる。これまでは、MacWindowsからFitbit Connectを介してiTunesWindows Media Playerなどのプレイリストを転送できたが、今後音楽転送はDeezerとPandora(米国のみ)アプリを通じてのみ可能となるため、この2つのサービスに加入しない限り音楽転送ができなくなるわけだ。

今後リリースされる新デバイスでは、YouTube Musicなどをサポートするものと考えられるが、既存デバイスがサポートされるかはわからない。これまでPCからの音楽転送を使用していた人は、Deezerに加入するか、別のデバイスへ乗り換えるなどの選択を迫られそうだ。

ふむ。
たしかにfitbitのサイトを見に行くと、ログインはできるしダッシュボードも見れるけれど同期はできないようである。

間もなく開始予定のエクスペリエンス向上をサポートする、Google の認証情報で fitbit.com のアカウントにログインするオプションを削除します。
この削除に備えて、Fitbitで使用するメールアドレスとパスワードを確認しておいてください。パスワードがわからない場合は、 [パスワードを忘れた場合] をクリックします。
メールアドレスの見つけ方や変更方法など、Fitbit アカウントの詳細については、こちらの ヘルプ記事 をご覧ください。

とある。「Googleの認証情報で…ログインするオプション」が削除されたということだけれど、fitbitアカウントでログインだけならできるようで、ダッシュボードも見れる。ただし、同期はできないみたい(以前は、ブラウザ上でfitbitサイトのダッシュボードからも同期できたのだが)。ま、そういうことなのでしょうな。
おそらくこれによってPCからの同期ができなくなったのであろう。10月に終了となっているのだが、なんとなくの流れで年末まで、あるいはきのうも使えてたような気がするので、終了は元日ちゅうに完了した、ということかもしれない。
まぁねえ。
こういうのは仕方ないのだけれど、しかし、スマホのアプリは同期するためにbluetoothだけでなく位置情報を要求してくるので、ふだんbluetoothも位置情報機能も切ってるわたくしとしてはめんどくさいのと、あと、スマホbluetoothはちょっと感度が悪いかんじがあって、なんかスマホの向き?みたいなのが関係あるようにもみえるし時間もかかる。これ毎日やるのめんどくさいなあ。