そういや、「居候」とか「書生」とかいうのがあった。

ニート」という言葉を聞くと、「居候」という言葉を思い出す。さいきん、「居候」っていわないのであるな。

http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%B5%EF%B8%F5&kind=ej&mode=0&jn.x=24&jn.y=11
  
いそうろう ゐさうらふ 4 0 【居候】
 
(名)スル
他人の家にただでおいてもらうこと。寄食すること。また、その人。食客
「姉夫婦のところに―している」
――角(かく)な座敷を丸く掃(は)き
居候は無責任でいいかげんなことをするの意。
――三杯目にはそっと出し
居候は厄介になっている負い目から、すべてに遠慮がちなこと。
 
三省堂提供「大辞林 第二版」より


日本国語大辞典第二版オフィシャルサイト:日国NET」より
「ほめる日本語・けなす日本語」>「親元から独立しない人をけなす」
http://www.nikkoku.net/ezine/hnkn/kns031.html

「親と一緒に住むと、親に生活の面倒を みてもらえるから」などという自分だけの都合で親元から離れない若者をけなすのに向く言葉を集めました。 万一、病気などの理由で独立できない人が下記のような言葉でけなされても、気にすることはありません。 そういう人をけなす言葉もちゃんとあります(「無神経」ほか)。
 
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1「脛かじり・脛っかじり」
 
いうまでもなく、「親の脛をかじる」から派生した言葉。経済状態を表すもので、 生活態度は問いません。真面目に勉強している学生でも、遊び暮らしている学生でも、自分で稼いでいないならこれに該当します。 また、働いていても親の援助を受けていたり、生活費を負担したりしない人の場合はこう呼ばれます。

落語・松枝宿の子殺し〈三遊亭新朝〉「汝(てめへ)抔(など)は臑(スネ)っ咬(カヂリ)の癖に」
 
用例は、旅籠(はたご)の親父が息子に言うもの。親子喧嘩の原因は、息子が宿泊客の娘と結婚させてくれと言い出したこと。息子は既成事実を作ろうと夜這いに行くのですが娘はおらず、そこに娘の所持金を狙っていた親父が強盗にやってきて、娘だと思って息子を殺してしまうのでした。昔の落語にはこの手の奇妙な話がけっこうあります。
 
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2「親掛(おやがかり)」
 
親に養われていること。けなすつもりはなくても、おのずからその人が金を自由に使える身分ではないことを明らかにする言葉です。「親に掛かり」とも。
 
評判記・色道大鏡−一五「親(オヤ)がかりの身は、常に金銀手にまはらず、有合(ありあひ)たる時ならでは、人に施しがたし」
 
用例を現代語訳すると、「親の世話になっている者は常に金回りが悪く、ありあわせが十分な時でなければ他人に施しはしにくい」。遊里は金を出せば出すほどに男の価値が上がる世界ですから、<親掛かり>は遊里では歓迎されない存在でした。
 
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3「部屋住(へやずみ・へやずまい)」
 
<親掛り>の同義語。親に養われている人を、居住状態(親の家に部屋をあてがわれて住んでいる)に注目して表現する言葉。江戸時代では家督を継ぐ前の長男、次男以下の男子がこれに当たりました。次男以下に対しては養子に出したり婿入りさせたりすることが広く行われていましたが、<部屋住>のまま一生を終える運の悪い人も少なくなかったようです。法律上、家督の制度がなくなった現代ではあまり用いられませんが、時代劇や時代小説ではよく登場します。それだからこそ親と同居する成人男子を嘲笑する際に向きます。
 
咄本・軽口あられ酒−五・四「廿四五になるむすこ有。未女房ももたず。へやずまゐに」
 
江戸時代では24〜25歳の男子はもう一人前もいいところですが、この男は親元の離れで女房ももらわずに住んでいます。ある夜、女を離れに連れ込んだのですが、母親が物音を聞きつけ「どうかしたのか?」と聞くと、息子は「ノミが出た」と。こういう会話をしている母子、現代にもいそうです。
 
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6「居候」
 
「居候」は、近世の公文書で同居人を表す肩書でした。「太郎兵衛方に居候  次郎」という具合に表記したのです。それが転じて、他人の家に世話になっている人をいうようになりました。主人が滞在者をこのように呼ぶのは、相手を見下している場合がほとんど。ただし、主人がその人物を丁重にもてなしていても、他の者が陰でこう呼ぶ場合は少なくありません。親が生活費を払わない同居の息子・娘を冗談めかしてこのように呼ぶこともあります。
 
有名な「居候三杯目にはそっと出し」のほか、「居候置いてもあわず居てあわず」(居候を置く方も居候になる方も割に合わない)、「居候しょうことなしの子煩悩」(居候は世話になっている手前、仕方なく主人の子どもをかわいがる)など、川柳には居候がよく登場します。


そういえば、
授業で読んだ論文の中に「書生」という単語が出てきて、それを学生さんたちが知らないのであった。書生、というのも、いまいないのか。

http://dictionary.goo.ne.jp/search.php?MT=%BD%F1%C0%B8&kind=jn&mode=0&jn.x=30&jn.y=18
 
しょせい 0 【書生】
 
(1)学生。明治・大正期の用語。
(2)他人の家に寄宿して、家事を手伝いつつ勉強する学生。
 
三省堂提供「大辞林 第二版」より