出先の移動のあいだに、本屋に寄る。「かまやつ女」から『るきさん』を連想したものの、やはりそれは同じ下流とはいえ世代もエートスも違うといえば違うので、三浦が同じ文脈で挙げていた「干物女」というののもとになったマンガを買いたくなったのである。
いちおう、『ホタルノヒカリ』というタイトルだけは頭においていったのだが、店頭でみつからなかったのは、やはりマンガ読みの現役から離れて久しいので勘がいちじるしく低下した、ということかなと思った。で、めざすのを探す以前に、やはり話題であったこうの史代『夕凪の街 桜の国』、魚喃キリコ 『南瓜とマヨネーズ』、岡崎京子『女のケモノ道』、そして花田祐実『ロマンスコンプレックス』を見つけ、そっちを買ってしまう。
- 作者: ひうらさとる
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/02/10
- メディア: コミック
- クリック: 412回
- この商品を含むブログ (195件) を見る
- 作者: こうの史代
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2004/10/12
- メディア: コミック
- 購入: 60人 クリック: 1,350回
- この商品を含むブログ (1142件) を見る
- 作者: 魚喃キリコ
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2004/03/08
- メディア: コミック
- 購入: 7人 クリック: 26回
- この商品を含むブログ (134件) を見る
- 作者: 岡崎京子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/04/23
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 77回
- この商品を含むブログ (79件) を見る
- 作者: 花田祐実
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2005/03/28
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (4件) を見る
↓
んで、いま読んでるけど、なんかもひとつやなあ、という印象。
干物女の干物っぷりをたんたんと描いてのんびり、というかんじなのかと想像して読み始めたら、いきなりかっこいい上司とぐうぜんの同居がはじまっちゃって、年下の彼氏もできちゃって、あたふた、という、なんだかふつうに定番の少女マンガなんで、かなりげんなりしている。20台後半を主人公にしながら定番の少女マンガのお話をつくるためだけに、ずっと干物でした、っていう設定を使ってるんで、なんだかなあ。このマンガを支えるターゲットの読者層ってのがあって、それはやっぱりこの主人公とおなじ干物なおねえちゃんたちで、会社帰りにマンガ買って読みながら、この主人公と同じようなかんじの脱・干物なレンアイを夢見ておるのか、と想像すると、かなりげんなりだな、と。いや、私も仕事帰りに買ってうちで寝転んで読んでるまさにそのたぐいなわけではあるのだけれど。
あと、たぶん講談社系の絵柄が合わないってのもあるのかもしれんし。
↓
ちなみに、そういうわけで、主人公が妙にがっついているので、おかしいなと思って『下流社会』の干物女言及箇所を見直してみたら、「お嫁系」の末路、という位置づけで、「かまやつ女」とは別ジャンルということになっていて、つじつまはあっているらしいのであるけれど、なんかもうどうでもよくなってきてもいるわけである。