中国の女の子。古い伝統的な観念に基づく性別差別をなくすために始まった「女児に愛を」キャンペーン

http://www.crn.or.jp/cgi-bin/TOPICS/disp_msg.pl?&msg=00118

中国の女の子
(2006年3月10日)

中国では新生児の性別比率の偏りが問題になっており、年々深刻になっています(註1)。その根本的な原因は「重男軽女(男尊女卑)」という中国の古い伝統的な観念にあります。また、農村部では、労働力や老後の世話を期待したいなどの理由から男児の出生を期待する傾向があり、胎児が女の子だとわかると中絶してしまうこともあるそうです。

このような性別差別をなくし、女の子の権益を保護するために、中国政府は2003年から「女児に愛を」というキャンペーンを始めました。その活動の一環として、今年3月6日〜9日に上海人口文化科普会展センターで「女児に愛を、女性に敬意を」というテーマで「CRN杯写真展」が開催されました。

CRN中国語版を開設して1年、子ども関係者との交流も2年目を迎えました。このような中国の子どものための催しを共催し、「子ども学」への中国の子ども関係者からの期待の高さを感じました。

応募写真は1600点。選考の結果、入賞した100点が展示されました。主催者である上海人口計画生育委員会(一人っ子政策を統括している機関)は、写真を通して、市民が女児の生活、教育などに対する関心を喚起し、社会全体の男女平等意識の徹底に寄与することを期待しているとのこと。男の子も女の子も、生まれてくる赤ちゃんはどっちであっても祝福される社会になるよう祈るばかりです。


註1
「中国紙の法制日報によると、20年以上にわたり出生人口の男女比が拡大し、2004年は男児が女児より152万人多く出生した。」(西日本新聞ウェブ版2006年2月3日より引用)。また中国の公式発表によると、男女出生率は、自然出生率106:100のところ、中国では116:100となっている。