少年の補導に法的根拠 奈良県が初の条例可決

http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2006032401004649_Main.html

飲酒、喫煙や無断外泊、深夜はいかいなどの「不良行為」を細かく定義し、警察官らによる少年補導に全国で初めて法的な根拠を与えた「奈良県少年補導に関する条例」が24日、県議会で賛成多数で可決、成立した。施行は7月1日。

 少年犯罪の深刻化を受け、警察庁も補導手続きの明確化など非行防止法制の在り方を検討中で、これを先取りした形。警察官が少年を一時保護したり、たばこなどを預かる権限も規定しており、「警察の権限拡大や少年の人権侵害につながる」と批判も出ている。

 補導の対象となる不良行為として列挙されているのは26項目。20歳未満では、飲酒、喫煙などに加え「暴力的行為に発展する粗暴な言動」「みだりに異性に触れ性的不安を覚えさせる行為」など。
(初版:3月24日18時16分)

さてさて「しんぶん赤旗」ではこんな扱いで紹介していたようだ。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-03-02/2006030204_01_0.html

奈良県の少年補導条例案
警察の干渉を拡大
不登校”も取り締まり?

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 不登校も警察の取り締まりの対象? ―奈良県議会が「県少年補導に関する条例案」で揺れています。奈良県警が提出した、全国的にも例がない条例案に「警察の権力的な規制で少年の健全育成ができるのだろうか」と県内外から強い不安や批判の声が寄せられています。奈良県 鎌野祥二

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 条例案は「少年(十九歳以下)の健全育成」を目的としながら、補導対象になる「不良行為」として二十八項目を規定しています。その中には「みだりに異性の身体に触れ」る行為など男女交際の問題や、十七歳以下では「正当な理由がなく、義務教育諸学校を欠席」すること、「正当な理由がなく深夜徘徊(はいかい)する」ことなど、いずれも現行法では犯罪とはならない行為に規制を加えています。

 警察職員による補導の内容は「注意」や「危険物品」などの「一時保管」、警察施設での「一時保護」などです。県警は「早期発見により、非行性が深化する前の立ち直り支援が必要」と制定理由を説明しています。

各界から反対の声
 昨年十一月に条例案の概要をホームページなどで公開してパブリックコメントを募集し、二月県議会に提案と超スピード日程で進めてきました。

 しかし、県内の中学校校長からは「まったくそんな話は聞いてない」と驚きの声があがっています。奈良市西部で少年補導員をつとめる女性(44)は「子どもにかかわる人たちからもっと意見を聞いてほしい」と話します。

 奈良弁護士会は、今回の条例づくりに反対する会長声明を一月二十七日に発表しました。「少年の保護育成の手段は、権力的な規制に頼るのではなく、学校や、児童相談所をはじめとする福祉機関、地域社会等による包み込み」などを「手段とすべきことは世界的潮流」(同声明)とし、各県議にも反対するよう働きかけてきました。

 教職員組合新日本婦人の会などの五団体は「同条例を考える会」を二月一日に結成。PTAや民生委員などに条例案の問題を知らせるビラを送って対話を進める一方、県警に同条例案を県議会に上程しないよう求めてきました。

“有効”の検証せず
 同会が主催した二十五日のシンポジウムには教師や親、青年など百二十人が参加。パネリストの県立高校二年生の男子生徒は「ぼくたちをしばるのではなく、言葉やコミュニケーションを大切にしてほしい」と訴えました。

 日本共産党の山村幸穂県議は二十日の県議会・総務警察委員会で県民生活への警察の干渉が拡大する懸念を指摘しました。「補導の活性化」というが「警察の補導が非行防止に有効だという実証的な調査や検証をしたのか」とただしました。

 これに対する県警本部長の答弁は「経験則としてわかることではなかろうか」というものでした。補導の効果を具体的に示すことができなかっただけでなく、非行防止に有効であることを示すなんの検証もしていないことが明らかになりました。そもそも条例の制定が必要なのか、問われます。

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奈良県少年補導に関する条例(案)」(抜粋)
 第二条の4

 この条例において「不良行為」とは、次に掲げる少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれのある行為(刑罰法令に触れるものは除く。)をいう。

 (1)のオ 放置すれば暴行、脅迫、器物破損その他の刑罰法令に触れる暴力的な行為に発展するおそれのある粗暴な言動をする行為

 (1)のケ みだりに異性の身体に触れ、又は異性につきまとい、その他の他人に性的な不安を覚えさせるような行為

 (3)のス 正当な理由がなく、義務教育諸学校を欠席し、又は早退し、若しくは遅刻して、徘徊をし、又は生活の本拠を離れて遊技若しくは遊興をする行為

 (県民の責務)

 第四条

 県民(少年を除く。)は、不良行為少年を発見したときは、当該少年にその行為を止めさせるため必要な注意、助言又は指導を行うとともに、必要に応じ、保護者、学校の管理者又は職員、警察職員その他少年の保護に関する職務を行う者に通報するよう務めるものとする。