『新版 構築主義の社会学』タイトルが似ているけれど別内容なわけですな。

構築主義の社会学―実在論争を超えて (SEKAISHISO SEMINAR)

構築主義の社会学―実在論争を超えて (SEKAISHISO SEMINAR)

内 容
新版のためのはしがき[平 英美・中河伸俊]

I 事例研究編
第1章 クレイム申し立てのなかのレトリック
     ― 行方不明になった子どもという問題の構築[ジョエル・ベスト(足立重和訳)]
第2章 DSM-III における心的外傷後ストレス障害(PTSD)
     ― 診断と疾病の政治学における事例[ウィルバー・J・スコット(馬込武志訳)]
第3章 ストーカー行為の自然史
     ― 関係についての非対称な認識の展開過程
      [ロバート・M・エマーソン/ケリー・O・フェリス/キャロル・B・ガードナー(渡會知子訳)]
第4章 「推定無罪」と科学知識の社会学
     ― 成員の達成としての実在論vs.懐疑論[中村和生]

II 理論編
第5章 オントロジカル・ゲリマンダリング
     ― 社会問題をめぐる説明の解剖学
      [スティーブ・ウールガー/ドロシー・ポーラッチ(平 英美訳)]
第6章 構築主義論争の帰結 ― 記述主義の呪縛を解くために[田中耕一
第7章 システム論的臨床社会学構築主義[矢原隆行]
第8章 フィールド研究の倫理とエスノメソドロジー
     ― 社会リアリティの変化と社会理解ループの変化[樫田美雄]
第9章 構築主義アプローチの到達点
     ― エンピリカルな見地からの課題と展望[中河伸俊・平 英美]

引用文献
主要人名・事項索引
執筆者・訳者紹介

エンピリカルな構築主義プロジェクトの再興へ ― 新たな調査研究の実例を紹介し、エスノメソドロジールーマンとの対話を手がかりに、構築主義論争の決着を提示する。最新の動向を踏まえて、構築主義的研究の将来像を探る、待望の新版。

新版じゃないほうはこっち。

構築主義の社会学―論争と議論のエスノグラフィー (Sekaishiso seminar)

構築主義の社会学―論争と議論のエスノグラフィー (Sekaishiso seminar)

内 容

 1 本書の構成と著者紹介 2 構築主義論争 3 社会構築主義の展望
第1章 オントロジカル・ゲリマンダリング
  スティーヴ・ウールガー、ドロシー・ポーラッチ(平 英美 訳)
 1 社会問題をめぐる議論の構造 2 オントロジカル・ゲリマンダリング
 3 経験的文献 4 児童虐待の事例 5 社会問題と逸脱の社会学
 6 含 意 7結 論
第2章 道徳的ディスコースの日常言語的な構成要素
  ピーター・R・イバラ、ジョン・I・キツセ(中河伸俊 訳)
 1 はじめに 2 社会問題のディスコースのレトリック
 3 研究主題の拡張 4場 面 5まとめ
第3章 構築主義プログラムの再構成
  ジェイムズ・A・ホルスタイン、ゲイル・ミラー(鮎川 潤 訳)
 1 構築主義とオントロジカル・ゲリマンダリング、リフレクシヴィティ
 2 相互作用的実践と社会問題の構築
 3 社会問題の一般理論は何の役に立つのか
第4章 社会構築主義とその批判者たち
  ゲイル・ミラー、ジェイムズ・A・ホルスタイン(鮎川 潤 訳)
 1 社会問題の一般理論は正当性を保証されるのか
 2 社会問題の理論はクレイム申し立てか
 3 社会問題はどのように書かれるべきか 4 結 論
第5章 クレイム申し立てのなかのレトリック
 1 レトリックとクレイム申し立て 2 行方不明の子ども
 3 前 提 4論 拠  5結 論 6 討 論
第6章 DSM-IIIにおける心的外傷後ストレス障害PTSD
  ウィルバー・J・スコット(馬込武志訳)
 1 DSM-IおよびDSM-IIにおける戦争神経症
 2 DSM-IIと精神医療の実践
 3 反ヴェトナム戦争退役軍人会(VVAW)と街角の精神医療
 4 シャンタン 5 セントルイス分水嶺 6 進行中のDSM-III
 7 ヴェトナム戦争の退役軍人のための作業グループ
 8 反応性障害委員会 9 討 論
第7章 罪としてのセックスから労働としてのセックスへ
  ヴァレリー・ジェネス(大庭絵里 訳)
 1 方法とデータ 2 売春婦の新しいイメージ
 3 法的取り締まりに関する言説 4 コヨーテの国内、国外での改革運動
 5 フェミニストの言説 6 エイズに関する言説 7 討 論
第8章 差別から積極的是正策へ
  ダナ・Y・タカギ(工藤宏司 訳)
 1 アジア系アメリカ人に対する差別、1983〜1986年
 2 大学当局の反応 3 多様性、1987〜1988年
 4 攻撃にさらされる積極的是正策、1989〜1990年 5 討 論

「社会問題の構築主義」をめぐるウールガーとポーラッチVS.キツセやホルスタイン、ミラーらの論争に関する理論的作と、児童虐待、売春、PTSD心的外傷後ストレス障害)、教育についての構築主義的モノグラフを収録したユニークな論集。

んん。
なんで同タイトルにしたんやろか。
別タイトルの論文集、ってことにしたほうがわかりやすいし売れるのではないかと思ったのだけれどそうでもないのかなあ。
ていうか、
イバラ=キツセ論文は残して欲しかったような。