研究レポート75 顔の左右対称の科学。(主婦と科学。家庭科学総合研究所(カソウケン)ほぼ日出張所)

http://www.1101.com/kasoken/index.html
顔の、左右対称性だとか「平均顔」だとかの話。たくさんの人の顔写真をかさねて「平均顔」を生成すると、美男美女になる、みたいなはなしとか、だから左右対称な顔は魅力的なのだ、だとか、でも本人の印象は右顔のが強いとか、その理由は

一般的に顔の右側は左側よりも
顔の全体像に「近い」印象をあたえるらしいのです。
それは、知覚回路のなりたちによっているとか。
知覚の回路は脳に繋がっていて
左目で感知したものがまず先に
右半球の脳に伝達されます。
私たちが人の顔を見るとき
その人の右頬はまっすぐ私たちの右半球に
左頬は回り道をしたのちにやや遅れて伝達されます。
相手の顔の右側の特徴が先に脳で処理されるので
私たちの脳の中では相手の右側が「優勢」になって
顔の右側が顔の全体像に近いとみなされるのだとか。

だとか。
さいごのところはトンデモなんじゃないかなあ。
すくなくとも、私たちはごくふつうには(よほど至近距離で接していない限り)べつに相手の右顔を右目で左顔を左目に振り分けてみているわけではないのだし。
右脳左脳、というような話題は、だいたいがトンデモ話なのだと理解することにしている。
右脳左脳みたいな話をする人は、あたかも脳梁がないかのごとくに話をするので。
それはともかく、
この筆者の人は、自分のバッチリ顔写真を使って右顔、左顔、なんかの実験をやってみせている。ええ根性しとる。
で、

じゃ、ある人の右半分なり左半分なり
片側の顔を合成してみたら
「その人の理想の左右対称顔」になって
美形化できるのでは?
なんて虫の良い考えが浮かぶ研究員A。
で、やってみました。
左から順に
「(本人から見て)右半分の合成顔」
「オリジナルの顔」
「(本人から見て)左半分の合成顔」
なのですが。‥‥ちがうー、なんかちがう!
特に左側合成!! ううう。
単に左右対称にすれば良いってものでもなさそうです。

なんてやっとるのだが、
まぁ、このてのお遊びはテレビのバラエティとかでもよくやっとるのやが、
そもそも、オリジナルの顔写真で首がまっすぐむいてないので、お話にならんのである。
オリジナルの写真の、「あごの中心」「唇の中心」「鼻の頭の中心」「眉間の中心」とかをたどってみると、(本人から見て)右側にちょっと首をかしげている。
なので、この写真をそのまま真ん中で切ってひっくり返してくっつけると、
「(本人から見て)右半分の合成顔」のほうは、逆三角形になってタレ目上目遣いになって小鼻が小さく口が小さく顎が尖った形になるし、
「(本人から見て)左半分の合成顔」のほうは、しもぶくれで吊り目三白眼で鼻が広がって口がでかく顎が張った形になる。
そもそも、
わたしたちの顔に対する認知なんていうのは、ものすごくデリケートにできていて、熟達者はマナカナさえ見分けるといわれているぐらいなので、
ほんの少しの顔の傾きによる合成顔の違いでも、ことなる印象を受けてしまうのだろう。