教育の機会 所得次第

http://benesse.jp/news/asahicom/TKY200605220165.html

06.05.22 11:32
教育の機会 所得次第
 親の所得の違いで子どもが受けられる教育にも差が生じると、指摘されている。公立か、私立か。教育費はどれくらい必要なのか。悩ましいが、子どもには少しでも充実した教育を受けさせたいと思うのが親心。教育と格差を考えてみた。
 子ども2人を私立中に入れるにはどれくらいの収入が必要か。家計の見直し相談センターのファイナンシャル・プランナー、藤川太さんが試算=グラフ参照=した。
 夫(38)は会社員で、年収600万円。貯蓄は300万円だ。専業主婦の妻(37)に、小4(10)と小2(8)の子どもがいる。東京郊外の月10万円の賃貸マンションに暮らすケースを想定した。
 藤川さんは「2人を中学から私立に入れるなら年収600万円では難しく、共働きしなければ破綻(はたん)する可能性が高い」という。
 上が小6、下が小4になる2年後には教育費がはね上がり、支出が収入を上回る。6年後には貯蓄も底をつき、2人とも大学生の12年後には1000万円近い借金をしないと家計が成り立たなくなる。
 妻が働き、年80万円程度稼げば何とかなる。ただ、この試算は順調に夫の給与が上がる前提。実際には収入減の可能性もある。
 まずは奨学金、次に国の教育ローンや財形教育融資など公的なものを考えてみる。「民間の教育ローンは借りに行く人も多いが、金利も高く、最後の手段。奨学金は可能な限り借りた方がいいが、高校までは借金に頼らず、しっかり貯蓄するのが賢明」と助言する。
 総務省の05年の家計調査によると、勤労者世帯の平均年収は実収入の年換算で568万円で、この数年、減少している。平均的な家庭で2人を私立中に通わせるのは極めて難しい。
 文部科学省の04年度の学習費調査では、私立中の学校教育費(授業料など)は増え続ける一方で、1人あたり年間約96万円。学習塾の費用もおおむね増加している。
 AIU保険は、小学校を除いて幼稚園から大学まですべて私立の場合、教育費は文系で2063万円、理系で2179万円かかると試算する。
 一方、中学受験は過熱する一方だ。とくに首都圏の1都4県の06年度の私立中受験者数は、前年を5.4ポイント上回る約4万7000人(大手学習塾四谷大塚の推定)。私立中受験率は過去最高の16.0%に達した。四谷大塚の和田吉弘入試情報センター所長は「ゆとり教育に伴う公立校の学力低下に対する懸念がある」とみる。
 中2と小4の息子を持つ川崎市の銀行員の男性(40)は、周りの親の話を聞いて驚いた。有名進学塾に通わせるだけでなく、塾のトップクラスに居続けるために家庭教師もつけている。そんな家庭が少なくない。
 「これではお金をかけられる層とかけられない層に二極化してしまう」
 それでも、長男は私立の中高一貫校に通わせている。次男も私立中に入れるつもりで、有名進学塾に通わせ始めた。
 地元の公立中は荒れていると聞く。区内の私立中進学率は20%超。近所も私立の中高一貫校に通わせている家庭が多い。実際に見学した私立中は、生徒の学習意欲が高く、指導の仕方や授業の進度も息子に合っていると感じた。
 年収は1000万円。とはいえ、先々の出費を考えると頭が痛い。塾は土曜の特別講座も含め月3万円。長男は今は学校の授業料(月6万円)だけだが、高校に進んだら塾に通わせるつもりだ。2人とも私立に入り、塾にも通うとなれば月18万円は必要となる。
 所得の格差を示すジニ係数は各種調査で拡大傾向にある。公立の小中学校で文房具代や給食費などの就学援助を受ける児童・生徒は、04年度には全国で約134万人に達し、4年前と比べ4割近く増えた。
 親の所得が低く、初めから私立中や塾に通うという選択肢さえ持てない子どもたちも多い。
 次回は、やりくりを工夫して格差を乗り越えた家族の例などを紹介する。
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 「ゆとり教育」などをテーマに、東大生と、百ます計算で知られる陰山英男立命館小学校副校長や河村建夫・元文部科学相らとの討論が27日、東京・本郷の東京大学五月祭で開かれる。
 企画した東大生たちは、高校の途中から完全学校週5日制になった「ゆとり第一世代」。「ゆとり教育の影響は、実際に授業を受けた私たちの方が詳しいかもしれない」と教育学部3年の住吉翔太さん(21)は話す。27日午後2時から2時間、法学部25番教室で。
《モデル家計》生活費は月23万円。その他には生命保険料を含む。小4からは私立中受験のための塾の費用なども加えて試算した。60歳で定年退職し退職金は1500万円。給与所得と教育費は年2%、物価は1%の割合で上昇、預貯金の利率は年1%を前提としている。

べただなあ。
ていうかまぁ、そもそも私立に行くの行かないのという選択肢そのものが、都市部にしかないのやから、まぁ子どもふたりともを私立に入れるとどうなるか、なんちゅうお悩み相談は、北関東あたりのローカル放送でやってといてくれという感じではある。なんとかのひとつおぼえみたいにジニ係数ばっかり連発しててもこれまた視野狭窄だという気はする。
ちうか、この数字は「家計の見直し相談センターのファイナンシャル・プランナー、藤川太さん」なる人物が試算したということで、さぁーて来週のサザエさんは、「次回は、やりくりを工夫して格差を乗り越えた家族の例などを紹介する」とかゆってるし、なーんだ、そのなんとかっていう相談センターのコンサル業務の宣伝やんか、という感想。