『ヒズ・ガール・フライデー』はジェンダー論的にはどうなのか。

ヒズ・ガール・フライデー [DVD]

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エンドマークの直前までロザリンド・ラッセルにみとれて過ごす90分。かっこいいのはそのとおりで、何回見てもおもしろい映画であるのだけれど、
ジェンダーがらみで学生さんに紹介してみてハタと気付く。
男によって見出されて育てられて開花した才能に生きる「仕事のできる美人」ってのは、やはりジェンダーバイアスに歪んだイメージですよねえ。
たぶん、いまどき「プリンセス・ストーリー」を叩いたって、それだけではいみなくて、むしろこういうピグマリオンのほうが、イデオロギー的にはたちわるいきがする。「のだめ」とかね。いま無批判に流通してるでしょう。
ま、べつに、政治的に正しくなくても魅力的であればいいのでいいのだけれど、でも、政治的に正しくはないなあ、という留保をどこかにもっていたいものです。