メールアートについて。卒論がらみで。河原温とか。

何の卒論やというはなしですが、手紙について卒論がかけないかなあという学生さんがいて、いろいろ相談しているうちに、「かんけいないけどメールアートいうのもあるな」という話をしたらおもろがってくれた。
http://www.dnp.co.jp/museum/nmp/artscape/artwords/k_t/mail_art.html

メール・アート
Mail Art
郵便制度の確立以来、展覧会の案内を郵便で送付する慣習は世界に広く浸透したが、60年代以降、この慣習をさらに推し進め、手紙や葉書を「作品」に見立てる表現様式が現われ始めた。「フルクサス」の作家R・ジョンソンが行なった、ポストカード型のコラージュを送りつける「コレスポンデンス・アート」はその代表的な例である。日本においても、50年代後半以降継続された「具体美術協会」の機関誌送付や河原温の「葉書」シリーズなど、多くの作家が「メール・アート」を手がけており、通信インフラの拡大が、そのまま美術の表現領域の拡大へと直結した好例と呼べよう。ということは、今後ネット上の電子メールを「作品」に見立てる試みも出現するのだろうか。「メール・アート」のひとつの側面としては、もちろん美術館という閉鎖的な空間の外へと美術を展開しようとする意図があるわけだが、過ぎた実験が社会的な摩擦を引き起こしてしまうことも決してありえない話ではない。日本でいえば、赤瀬川原平の「千円札裁判」がそれにあたる。
暮沢剛巳

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関連URL
フルクサスhttp://www.nutscape.com/fluxus/homepage/
R・ジョンソン:http://artpool.hu/Ray/raymap.html
赤瀬川原平http://web.pref.hyogo.jp/vmuseum/j/c_html/02c.htm

河原温って人のがとくにウケがよかった。
河原温 - Wikipedia

河原温
出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』
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河原温(かわら おん、1933年 - )は、日本出身の美術家。コンセプチュアル・アートの第一人者として国際的にきわめて高い評価を受けており、日本出身の現代美術家のなかで世界的にもっとも著名な1人である。
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1966年から描き続けられている「日付絵画」("Today"シリーズ)は、リキテックス(画材の名称)で単一色に塗られたキャンバスに、その「絵」が制作された日の日付だけを、筆触を全く残さない職人技で丹念に「描いた」ものである。制作はその日の0時からキャンバスの下塗りを始め、起床後に黒色などで地を塗り、白で『年月日』を書き入れ、その日のうちに完成させる。完成後の保管は、その日の新聞を入れた箱におさめられている。またその日の24時までに描き終わらなければ廃棄される。
他に常に同じ"I am still alive."という文面の電報を世界各地から発信するシリーズ、過去と未来それぞれ百万年の年号をタイプした「One Million Years」、絵葉書にその日河原が起床した時刻だけを記して特定の相手に郵送する「I Got Up」など、いくつかのシリーズがある。画家本人は1966年以降、カタログ等にも一切経歴を明らかにせず、公式の場に姿を見せず、作品について自己の言葉で語らず、1966年以降の本人の写真やインタビューなども存在しないなど、その実像は謎に包まれている。
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かっけえ。
http://nodako.typepad.jp/nodakoweb/2007/08/post_6af0.html
↑こちらのかたは、ブログでメールアートについて書いておられます。

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一言ににメールアートと言っても、アーティストによって解釈は様々でその到着地点もかなり違っているのが面白い。
 例えば嶋本のプロジェクトの場合、一方的に送りつけることが恒常化する中で自然とネットワークができ、そこでアートについて意見を交感したり出会いの場が生まれるという。この発想は、現在のメールマガジンやネット上のコミュニティに近いイメージな気がする。
 ボエッティの場合は存在しない宛先を書いて、手紙(あるいは小包)そのものに旅をさせる。宛先が存在しないので、結局自分の所に戻ってくるのだが、それをまた別の封筒に入れて別の存在しない宛先に郵送し、また戻ってくるということを繰り返す。それは郵便を使った時間と空間を行き来する無限の循環を創り出す。実際、このプロジェクトには相当の時間がかかったとボエッティも言っている。
 河原温の場合は、絵葉書に彼の起床時間だけを記して相手に郵送する「I Got Up」シリーズのように、他の彼の作品同様に人間の時間の記録という意味を持っているのだろう。
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「ボエッティ迷惑やん!」的なおおよろこび。