『麦秋』みたのは淡島千景めあて。

麦秋 [DVD] COS-022

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原節子の独身同級生友だちってことで淡島千景がでてくるのをたのしみに。
ていうか、原節子がなに考えてるか結局わからない。小津を最初に見たときに、「異様だなあ」と思った記憶があるのだけれど、久々に見たらやっぱり異様だ。
あと、このへんの小津をダシにして戦後の大家族の崩壊、とか言ってるのをみたことがあるけれど、原節子が嫁に行くことと親夫婦が故郷に帰るのとはべつに連動する必要もないだろうと思う。そのへんの親夫婦の考えもよくわからない。ようするに、感情移入的に見れないようにできていて、それは、たぶん、現代から見て当時の家族や人の考え方が違うから感情移入できない、ということではなくて、たんじゅんに小津の映画が異様だからなのだろうと思った。
あと、これ、主人公一家や登場する人たちが、たぶんかなり上流でしょう?とあらためて気付いた。
大学病院の勤務医だけど鎌倉に持ち家があって時期を見て開業する、というかんじ。でもって、まぁ勤務医というあたりで、それだけだとちょっとセレブとまではいかないけれど、それなりに資産があって、だから開業もできるわけで、なにより、原節子ブルジョワの家に嫁がせるというのが周囲の夢だったわけで、そのへんの感覚は、このところ成瀬を見ていた感覚からしたら、セレブじゃん、と思うのである。まぁセレブっていうか、いまでいうと年収おいくら万円ぐらいだろうとか思いつつ見てたのだ。自分もセレブのことはわからないですが、たとえば1500まんとか2000万とかのクラスだろうか(すいません、もっと上ですか?)、とか。それで、娘は資産家に嫁ぐと思っていたら、資産のない単なる勤務医しかも子持ちのやもめ、と一緒になると唐突に言い出すもので、いっきょに家族がきまずくなって一家離散、
って、なんかけっこういやみな話ではあったのだな。