武宮正樹ワンマンショー。NHK杯。

本日のNHK杯は武宮と高尾くん。解説は淡路。これが、武宮の魅力ぜんかいでおもしろかった。
1)武宮黒番で三連星。
2)大きな絵を描く。
3)「真綿で首を絞めるような」攻め。
4)いつもなら厚い碁を打つはずの高尾くんが「まっさおになるってのもめずらしいですね」。
5)高尾くんに何にもさせずに悠然と攻めきって利得を取るだけ取って「中の地を囲って」大差の勝勢に。
6)「これは武宮さんの名局ですね」と淡路が舌を巻く。
7)ここまではよかったのだけれど。
8)終盤に不必要にがんばりすぎてポカを打つ。坊主頭をぺたぺた叩いて苦笑しながらぼやきたおす。
9)いっきょに10目以上損をして形勢が急接近する。
10)けっきょくそれでも3目半で勝つ。

囲碁棋士で、天才でかつポカを打つといえば、天才武宮の前が、高尾くんの師匠である天才藤沢秀行で、これはやはりただごとではない魅力なのである。
高尾くんはいかにも好人物なのだけれど、師匠のポカは受け継いでないわけで、まぁ、あの芸風は受け継ぎようがないわけだけれど。
しかしそのかわりに、漫才で言うとボケに対するつっこみというか、そういう「受け」の芸は、なかなか育っていて、就位式なんかで師匠と並んで立ったり、スピーチで師匠の話をしたりすると、妙に好人物的に礼儀正しそうなわりになんともいえない微笑ましい笑いを誘ったりする。
ので、今日の対局もついつい武宮の天然を輝かせる役回りに入ってしまったかもしれないね。