『恋のゆくえ ファビュラス・ベイカーボーイズ』みた。ふつうによかった。

三角関係モノかと想像していたら、そうではなくて、ショウビズの末端あたりにいる人のはなし。ホテルのラウンジ(高級だったり、場末だったり)とかで、ジャズというよりもう少しスクエアな、「マイ・ウエイ」であるとか「フィーリング」であるとか、そういうのを演奏したり歌ったりしている、そういう人たち。もともとずっと、兄弟でピアノ2台で演奏していたけれど、やはり時代遅れ気味で、もともと冴えなかったのがさらに落ち目気味、ということで、女性ボーカルを入れようということになってオーディションをやってみたら、場末のコンパニオンかなんかをやってたミシェル・ファイファーが来て、これが歌ってみたら結構悪くなくて、おかげで仕事もまた増えて・・・みたいな。ところがなんやかんやでもめたりとか。で、なんやかんやあって最後はちょっとほろ苦い感じで。
ミシェル・ファイファーが、場末のコンパニオンかなんかをやってた人なのだけれど、年末年始営業で行ったリゾートホテルの部屋にラジカセを持ち込んでいて、毎晩、大音量でエリントンを聴いている。高級娼婦のジャンヌ・モロービリー・ホリデイを毎晩聴いてるって映画があったけれど、毎晩エリントンってのも志が高くてわるくない。
ピアニスト弟のほうは、安アパートの壁にエヴァンスの写真なんか貼っちゃって、ときどき近所のジャズバーで弾かせてもらって昔の夢に浸ったりしてる、これ、なかなか上手。なのは、ピアノが吹き替えで、中の人は音楽担当のデイブ・グルーシンだから。
で、ミシェル・ファイファーが吹き替えなしで歌っている割にはちゃんとジャズボーカルしてて、ジャズ気分になれるのでふつうにいい映画。だいたいこういうのは、最初の一声唄うところが勝負としたもんなのだけれど、オーディション場面での最初の唄うところではまあまあだったけれど、最初にラウンジで唄う一声めのところが工夫されていて、ジャズシンガー来た!感が出てて、そこからは素直に乗っていけた。