「マンガ夜話」で『青い花』ってのをやってた。オジサンvs女子みたいな構図なうちはつまらんかったが。

青い花』ですか、読んだことないけど、少女マンガ系をやるのか、と思って、この番組で少女マンガ系でこういう絵柄系のやつってどう扱うのかなと思って見てみた。
で、番組のどあたまから夏目が「オレはわからなかった」宣言するし、大月が「さっき萩尾原画展見てきたのでギャップが」とか言うし、なんかよくわからないオタクアイドルですみたいなおねえちゃんがぺらぺら喋るのをまわりのオジサンたちが、お前はマンガの歴史を知らないからこんなもんで満足してるンだと言わんばかりに、でもそういう言い方ではなくて、男にはわからない、大人にはわからない、みたいな言い方をねちねち言ってるので、つまんないかなあ、と思っていた。なんかやっぱりこのひとたちは、筋がぐいぐいと進んでいく男マンガで座標軸ができてるのかねえ、やだなあ、と思って、それから、やっぱり玄人的に公平に見ると少女マンガより少年・青年マンガのほうが高度な水準を達成しているってことなのかなあと思ったりしていた。おじさんたちが引き合いに出す女子高モノとしての吉田秋生なり松苗あけみなりだって、少女マンガの中では青年誌に対応できやすかった人たちだろうし。少女マンガのど真ん中というと、もう少し得体の知れないところのそれこそ空気感みたいなところにあって、そのへんがよかったはずなんだけど、そこを洗練していくってところでひょっとして少女マンガの進化がとどまってしまってるうちに自分の知らないところで少年・青年マンガのほうがもっと高度な表現をしているのだろうかしら、といううたがいをもたなくもない。マンガ評論みたいなので、少女マンガの扱いってどうなってるのかな、とか。
でもまぁ、番組的には、もう一人のゲストのこれまた見たこともない女優だか鉄子だかの女子が、要領を押さえた指摘をしたらしく、少しずつ話がかみあってきて、あと、おじさんたちの外在的な嫌味にたいして岡田がいちおう擁護っていうか、まぁようするにこの作品をこの作品として読もうよというスタンスを示したあたりから、まぁおもしろくなってきた。まぁそれにしても、顔を描き分けるというような次元ではないところで絵が上手い、むしろ描き分けてはいけない世界だ、みたいな、アシスタント的女子の指摘がかなりもっともで、ただそれはこの作品というより少女マンガというものがそういうところでやってるっていう、ようやく出発点のところに立ったなあというあたりで番組が終わってしまった。ねえ。それこそ、「キャラ」などというキーワードで概念化するかぎり、少女マンガぜんたいが見えなくなってしまうわけで、それは概念枠組のほうのもんだいなのか、少女マンガというジャンルのもんだいなのか。番組の終わりのほうで、他の人の声にかぶってそのあとも拾われなかったけれど、たしか大月が、「それにしても少女マンガは筋を追わなくなったよなあ」とか言ってたのが、かなり印象的だったのだけれど。
で、じゃあこの『青い花』ですか、読みたくなったかというと、番組をみたかぎり、まぁたぶん買い求めて読むほどの気にはならなかったけれど。そういうあれでいくと、空気感で勝負みたいなのは、おじさんを本屋に走らせてレジに持っていかせるだけの引きがないっちゅうのはありそうですが。