通勤電車で読む『ネオ共産主義論』。あんまし「ネオ」のところはでてこないのだけれど・・・

ネオ共産主義論 (光文社新書)

ネオ共産主義論 (光文社新書)

マルクスだったらこう考える』の人なので、読んだ。「共産主義とは何か」みたいなことが、マルクス以前の社会主義者共産主義者とか、あるいはユダヤ教とかギリシャプラトンの国家論までさかのぼりつつ、ずっと書いてあって、そういうのがレビューできるというのは勉強になるのだけれども、「ネオ共産主義」というものを期待すると、まぁあんましそういうのが書いてある本ではなくて、さいごのところで「マルチチュード」がオチになっているという、まぁそんな感じの本。なので、「ネオ共産主義」論、というより、ネオ「共産主義論」、ですね。著者がイマドキの学生さんたちに向かって共産主義の講義をしていたら出てくるような、あどけない(バカな)FAQというのがあるわけで、そういうのを念頭に置いて書かれた本。共産主義になったらみんな同じ服を着て(http://www.uniqlo.com/jp/)同じものを食べないといけない(http://www.mcdonalds.co.jp/index.html)んじゃないか、そんなのとんでもない、とか。そういうことではないのだ、ということを説明するためには旧約聖書まで戻らないといけないのだ、ということで、そういういみでは、イマドキ対応の本だといえなくもなくて、そのへんが「ネオです」ということなのだろう。