通勤電車で読む『経済学はこう考える』。社会経済思想史的な?思い切ってケインズ目線で悪くないけど学生に薦める感じではないですね。

経済学はこう考える (ちくまプリマー新書)

経済学はこう考える (ちくまプリマー新書)

この時期、来年度学生に薦める新書本のリストを改訂するための候補を物色するわけで、経済学というのはぜひ入れたいと思っている。で、何年か前からリストに入っているのは、
高校生のための経済学入門 (ちくま新書)

高校生のための経済学入門 (ちくま新書)

この本。で、読んだ学生にはそこそこ評判はある。のだけれど、何年か経ったので入れ替えてもいいかなとも思っている。で、希望としては、まぁ教育が専門の学生さんが教育を経済学的に(とくに、”心情的でなく”)見ることができるようになるとよい、そんでもって、いわゆる経済学っぽい発想とか物言いとかが簡潔に出ているものがいい、というかんじ。いやほんとに、まぁ自分が言えた義理ではないけれどその自分にしてからが嘆きたくなるぐらい、人文系の学生さんたちというのは、物事を心情的にというか没理論的に捉えてしまうわけで、教育は愛だとか夜回りしろとか感動したとかそういう次元を一歩たりとも離陸しない感じがある。社会学はそのへんをひっくりかえすわけだけれど、経済学というと、もっと取り付くしまもなく異次元的なところで論を立ててるので、社会学よりももっと端的に非心情的で学生さんにはいいかも。あとまぁ、経済学の発想とか言い回しとかをちょっとぐらい知っていると、就職活動ふくめ世間に出るときの常識として有用か、というのもある。
で、『経済学はこう考える』。いい本だと思ったんだけれど、社会経済思想史的な?かんじ。いわゆる経済学的な発想というのもでてきているし(数式もグラフも出てきてるし)、バランスもよさげでよさげなのだけれど、じゃあ学生さんに薦めるかというと、うちの学生さんは思想史とか読まないしなあ、というかんじなのだ。
この本そのものは、1章マーシャル、2章ケインズ、3章ジョーン・ロビンソン、4章まとめ&現在、というかんじでかなり思い切ってケインズ目線で整理された経済学史なのか、と。で、わたくし経済学なんかわかんないのだけれど、思い切って整理されているのが強みになってるような感じがした。