通勤電車で読む『就活のまえに』。信頼できるおじさんの説教を学生に読ませたい。

就活のまえに―良い仕事、良い職場とは? (ちくまプリマー新書)

就活のまえに―良い仕事、良い職場とは? (ちくまプリマー新書)

学生に薦める新書本を物色するシリーズ。で、この本は、この著者の書いた新書本を以前から何冊か学生に薦めていて、けっこうこの著者なら、と思うところがある。
で、就職活動の本ってより、仕事論みたいな話。普通の人の普通の仕事について、働く、ということをきちんと、具体例をたくさん挙げて学生さんにも共感できるように、しかも、途中ではデータもきちんと挙げつつ、語っている。
で、まぁ学生さんに働くことを説くわけなので、説教っぽくなるのだけれど、
また、著者は1944年生まれで、言葉の端々におっさんっぽさというかなんというかがみなぎってるし、推薦している本が『君たちはどう生きるか』とかだったりして、さすがにいまどきコペル君はきびしいなあと思いつつ、でも、著者のところの学生さんの面接の事例があげてあるように、まぁ、面接官もおっさんなので、おっさん好みの本を読んで感銘を受けましたみたいな学生が来たら喜ぶだろうとは思う。また、若者の転職の話題の導入として、

歌手の森進一が十回以上職場を変えた話は有名ですが

って言われてもたぶん学生は?となってしまうのだろうけれど、まぁそういうのを堂々と説いてしまうあたりも含め、このおじさんの説教は学生に読ませたいと思うわけである。
あと、
文章中に、学生さんが参照しやすい、新書本がたくさん参照されているのもいいし、この前読んだ『なぜ「大学は出ておきなさい」と言われるのか』もちゃんと参照されている。あわせてよませたいところ。