『ふせんでカンタン!テンミニッツ仕事整理術』。おもしろい。システムとしても本としても。

ふせんでカンタン! テンミニッツ仕事整理術

ふせんでカンタン! テンミニッツ仕事整理術

GTDとおなじような、タスクマネジメント/タイムマネジメントのシステムなのだけれど、こちらは、カンミ堂という文具メーカーの社長さんのつくったシステムで、「テンミニッツ」というの。文具メーカーさんってことで、つまり、「テンミニッツ」という商品を作って売ってるわけで、だれにでもカンタンに使える商品の形に落とし込んでるんである。なので、カルト的な波動よりは、「だれでもカンタンに」というハードルの低さがいい。ついでにいうと、この人は商品化するのが商売の人で、「テンミニッツ」のアイディアを思いついてから商品化するまでに、タイムマネジメントの理論をあれこれ勉強したってことで、たぶんそのなかにはGTDも含まれてたのかもしれない(「1日1箱」よりは前だな。)。なので、GTDのカルト的な波動からすると、普及版ならではのグッドデザインな形、みたいなのがある。さわやかですらあるよ。
カンミ堂 タスク管理ツール テンミニッツノートタイプ メロン TM-3107

カンミ堂 タスク管理ツール テンミニッツノートタイプ メロン TM-3107

で、「テンミニッツ」ってのは、「時間軸にふせんを貼り付けるだけ」っていうシステムで、Todoとかタスクを付箋に書いて、付箋の幅が1時間、で、ぺたぺた貼っていけば一日分の仕事が見える化される、みたいなこと。むこう一週間ぶんのTodoを思いつくぜんぶ付箋にして「WeeklyTodo」のところにプールしておいて、毎朝10分ぐらいでその日の時間軸にその日のTodoをぺたぺた貼る、だから「テンミニッツ」と。
で、この本は、その「テンミニッツ」の考え方とかやりかただけでなく、このシンプルなシステムで結果的に人がどうかわるか、みたいなことも、比較的うざくなく書いてある。それは具体的には、この人の会社の社員さんが使ってるわけで、その人たちが、とか、会社が、こう変わった、みたいなこと。で、その流れで、「テンミニッツ」を開発するときの話とか、この社長さんが会社をつくったときの話とか、そういうのも書いてる。コンサル的ってんじゃなくて、実際にものを作ってる人の書き方なところがいいんじゃないかな。
あと、なにせシンプルなシステムなので、ふつうの付箋に合わせたサイズの「テンミニッツ」の台紙が巻末に付いていてすぐ使えるというフリーミアム仕様。