『10ミニッツ・オールダー イデアの森』。なんか安易なような。

10ミニッツ・オールダー コレクターズ・スペシャル [DVD]

10ミニッツ・オールダー コレクターズ・スペシャル [DVD]

ゴダール編が含まれているというオムニバス。以前テレビでやってたのを録画してたのを見た。(オムニバスがふたつ編まれていて、リンク↑のDVDは、「人生のメビウス」「イデアの森」を合わせたもの)
上映時間1本10分、低予算で、「時間」をテーマにしたショートムービーをあつめて、オムニバスをつくるけど、撮ってみない?あっそうそう、ゴダールにも声をかけてるんだよねえ、みたいなかんじで誘われるとして、どういう撮り方をするか。
時間がテーマ、というところで、まぁ低予算だからってこともあってビデオで撮って、ただビデオカメラの特性を生かしてやはり時間の持続を意識してワンシーンワンショットの長回し、しかもふわふわと空中を舞うような移動撮影をしたら、長回しの持続感も強調されるし、誰の主観でもないような視点は抽象的なかんじも出せるし。それで、ワンショットというのを追求したら、10分の上映時間に10分で起こることをリアルタイムで追いかける、みたいなことにして、ついでにその中で、たった10分の間に運命が凝縮されてるとか、ありていにいえば人が生き死にするみたいな?そんなストーリー、どう?
みたいなことを8人中何人が考えたのか、よくわからないけれど、けっこうその程度ちゃうのん?みたいなのについては、安易だなあ、と思いつつ見ていた。
巻頭のベルトルッチ編はちゃんとストーリーテリングをしていてよかったけれど、これまた落とし穴っていうか、「目が覚めたら夢でした(時間が経ってませんでした)」的な寓話で、なんか他のとオチがかぶってるっていうかそらかぶるわな。
ジャン=リュック・ナンシーとの対話」を撮ったクレール・ドゥニという人は、『現代映画講義』って本の中で二回とりあげられてるひとだった。いまパラパラっとめくってみたら、この作品も言及されてた。で、内容としては、ドゴール帽をかぶった女子大生が電車で哲学者と向かい合わせに座って10分間哲学対話をするという。これ、ゴダールと並ぶってことを意識してなのかね。
ちなみにゴダール編は例によってゴダールだった。