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で、『ムーラン・ルージュ』のほうは、ミュージカルだろうな、というぐらいの予備知識だったのだけれど、えーっと、ギラギラした色彩で目まぐるしくて悪趣味でキッチュな画面が、こういうのあったよね、CMやってた中島哲也監督、と思いながら、しかし最初の30分ぐらい見つつ、これ2時間以上はしんどいかなあ、と思っていた。でも、芝居が落ち着いてきたら、なかなかよくて、19世紀末のムーラン・ルージュでなぜかT−REXやニルヴァーナなんかを歌い踊ったり、出会いのシーンがエルトン・ジョンだったり、という趣向で、知ってる曲だと楽しめる。だけどまぁ、いっとう最初の、高級娼婦踊り子のニコキさん登場シーンで、ムーラン・ルージュの客がみんなシルクハットの紳士のコスチュームだったりした瞬間に、あ、これはマリリンでマドンナだ、と思ったとたんにまさにマリリンの「ダイヤモンドは女の子のお友達」とマドンナの「マテリアルガール」のメドレーを歌い踊り始めたあたりは、ベタだなと思わせたところもなきにしもあらずだったのだけれど、しかしマリリンの映画を思い浮かべると、この映画のそのレビュー場面はキャメラがチャカチャカ切り替わり過ぎでいまいちだなあ、と思ったところもある。まぁ、芝居が落ち着いてきたあたりから、まぁ悪くなかった。
ニコキさんには、いくつかの決め顔があって、眉を片方ひっ、と上げるとか、三白眼気味に真剣な目をするとか、くっと目を伏せるとか。
で、もう一本は『誘う女』。
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