『映画長話』。これはすごい本ということで。
蓮實重彦、黒沢清、青山真治で鼎談の本をつくる、などというのは、およそ世の中にはやっていいことといけないことがある、ってぐらいのことで、じっさいにすごかった。宣伝としては、『映画千夜一夜』っていうか『映画となると話はどこからでも始まる』のときの淀川長治、蓮實重彦、山田宏一の鼎談の現代版、みたいなのを見かけた気がしたし、前書きにもそんなことも書いてあったけれど、批評家3人が古今東西の映画を楽しく語る、みたいなのとはこの本はちがうわけで、蓮實門下の映画監督二人(最終章ではさらに万田邦敏がゲストで参加)が師を囲んで語り合う、ということなんで、実作者としての映画談義なんである。それがすごく面白いしためになる。