通勤電車で読む『野宿入門』。野宿系女子っていうか野ガール流行の予感がしない。

野宿入門

野宿入門

某ほがらかな出版社のサイトで紹介されていて(←と思ってたけどいま探してみたらちょっと見つからない。あれー?じゃどこで見たのかなあ?どこでも見てなかったら買ってないはずなんだけど・・・)おもしろそうだったので読んでみたけどこれはよかった。著者は1980年うまれの、もういい加減分別はあってもいいはずの大人女子なのだけれども野宿をするひとで、「人生をより低迷させる旅コミ誌」というキャッチフレーズのミニコミ誌『野宿野郎』の編集長、ということである。で、野宿を広めるようなことが書いてあるけれど、まぁこの本で野宿が広まるかというのはよくわからなくて、ちょっくら近所の公園で野宿しようとか無人駅で野宿しながら旅をしようとかはちょっとならないけれど、ひとがやってることとして読んでるとおもしろい。文章がいいかんじに力の抜けたエッセイみたいで、ところどころ意味もなくゴチックになるような感じとか、脱力なかんじのイラストも含め、文科系なかんじで読んでてたのしいんである。「積極的野宿」「野宿力」「野宿スキルアップ」とか、見慣れない野宿ワードがどんどんでてきて、野宿ふつうかな?と錯覚させずにおかない部分もある。やらないけど。
で、野宿、という切り口は、なんとなくこないだ読んでた「0円ハウス」と発想が近いような気がするけれど、文章がっていうか態度がっていうか、へらへらしているせいで、思想みたいになっちゃわないところが、いい。0円生活のおじさんを取材して都市型狩猟生活を声高に語る、というのよりも、へらへらとただ野宿旅行をしてる人のほうが、こういういいかたをするのもなんだが、ラディカルに見えてしまうふしぎ。
ミニコミ誌『野宿野郎』公式サイト(http://nojukuyaro.net/