『グランド・ミステリー』読了。厚いよ。

グランド・ミステリー (KADOKAWA新文芸)

グランド・ミステリー (KADOKAWA新文芸)

『「吾輩は猫である」殺人事件』の、といつまでも言い続けることになるんだろうけれど、著者の本ということで、いつだったかかなり前に古本屋で300円で売れてるのを見かけたときに買ったのだけれど、なにやら第二次大戦の時期を舞台にした戦記物?でミステリーなの??しかも厚くて600頁ちかくあって二段組みだったりして、これはあかん、とそのまま何年も本棚のこやしになっていたのだけれど、ふと思い立って、なにか長いものが読みたくなって、読んだ。何日かかかったけれど、結果、うすきみわるくておもしろかった。『「吾輩は猫である」殺人事件』がそうであるようなうすきみわるさ、おもしろさ。なのだけれど、半分ぐらい読み進めておはなしがにわかに奇妙に捩じれてくるあたりでようやくひきこまれたってかんじ。あと、おはなしが結局どうなったのか、伏線はすべて回収されたのか、すみずみまで頭の中で糸を辿って整理して把握しきるようなきっちりした読み方ができなくて、まぁそういう、むつかしいっていうかたいへんな小説だなあ、というのはある。いやまぁ、ゆってもミステリーなんで、ちゃんとした小説読みの人にはたぶんふつうに面白く読めるものなのだろうけれど。