ぎっくり腰で寝ながら読んでた『Made by Hand』。DIYというのが生き方だ、と。生涯学習だぞと。

Made by Hand ―ポンコツDIYで自分を取り戻す (Make: Japan Books)

Made by Hand ―ポンコツDIYで自分を取り戻す (Make: Japan Books)

新聞かなんかの書評で山形浩生がほめてたかなんかで興味を持って、腰が痛くて寝てたときに読んでた。おもしろい。DIYっていうと、世代的に、日曜大工が頭に浮かんで、まぁそれはそうなのだけれど、そこにライフスタイルであるとか社会的なアティテュードであるとかというのがあるのだってのは、カルチュラルスタディーズの人たちの再紹介によって知ったわけで、だけどサラリーマンのお父さんたちがマイホームの庭に犬小屋を作る日曜大工、というのと、文化左翼活動、というのとがまだまだイメージとしてしっくりつながらなかったのが、この本を読んだら、なんとなく、わかりそう、って気がしてきたし、ハッカー文化とのつながりってのもよくわかる。
この著者の人、IT系ライターかなにかだったのがITバブル崩壊をきっかけに、なんやかんやあってDIY生活にめざめるわけだけれど、けっこう失敗ばかりしている。でもって、しかし失敗してはいけないって誰が決めたんだ、どんどん失敗しよう、自分で試行錯誤できる自分の人生ってやつをとりもどそう、っていうのがよくわかる。DIYなんていうと、達人みたいな人がいて、困ったときには「それはね、」なんつってすぐ答えを言っちゃったりするみたいなマンガとか教育テレビみたいなイメージがなんとなくあったけれど、それはDIYではないのだった。先達はいるにせよ(あれこれ濃い人たちがたくさん出てくる)、けっきょくやるのは自分であるよと。理系オタク的っていうかハッカー的な感覚で、庭で野菜を作るのも紅茶きのこを培養するのも鶏小屋を建ててニワトリを飼うのもエスプレッソマシンに改造を施すのも、インターネット検索で同好のハッカーたちのコミュニティで公開されている情報を参考にしながら自分でトライ、みたいな。そうなると、生涯学習っていう意味もでてくるわけで、ジョン・ホルトなどという名前も大学院生時代以来ひっさびさに目にしてえらく懐かしかったけれど、脱学校的な話にもなってくるのだった。