- 作者: 佐々木正悟
- 出版社/メーカー: 中経出版
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- 作者: 佐々木正悟
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ライフハック方面の著者の人、「1日1箱」の人の本なので、まぁいちおう読んでみたが、じつはまぁさほど期待してなくて、この人の肩書が心理学ジャーナリストということになっているけれど、そもそも本人のやる気とか心構えに期待しないでも仕事が進むように具体的な仕組みを作っておくのが仕事術だとすると、心理学というのは仕組みの中に埋め込まれているべきものであって、こういう本に書かれて読まれて実行されるという種類のものではないという理屈だ。この二冊にはいろいろな「方法」が書いてあるけれど、たとえば「カンペキ主義をやめる」という項目があるかと思えば「完ぺき主義をとりいれる」という項目があったりする。「「ランダム学習」をする」という項目があるかと思えば、「悪習を断ち切りたいなら「ランダム学習」は禁物」という項目があったりする。でもって「全部心理学にもとづいている」といって、実験結果などそれらしく紹介されているわけで、どないやねんというかんじになるわけである。もちろんそれはそういうもので、心理学にせよなんにせよ、実験というのはごく限定された条件を設定して限定された命題を実証するものなわけだから、いきなりこういう応用的な使い方で役に立つはずのないものであって、だから現実的なことに応用しようというと、お互い一見矛盾するような命題がいくらでも競合する。けっきょくのところだから、現実的には「あんばいをみてうまいことやる」ということにならざるをえん。でもって、それをふつうのひとはふつうにやっている。それを、ことさらにいろいろな命題に分解しなおして50個並べれば、並べることはできるけれど、だからなに?ってかんじには、なるわけである。
というわけで、まぁ電車の中で読んでるぶんにはわるくないかな、ってぐらいの湯加減で。