ファシリテーションの人で、追いかけて読んでいるつもりなのだけれど、久々に検索したらまたいろいろ出てきたので手に入れて読んでみる。で、
ロジカルシンキングとか
クリティカルシンキングとか、一時期よく耳にしたけれど、いまいちピンとこなかったようなおぼえがある。
ロジカルシンキング、
クリティカルシンキングで検索をかけてみると、
ロジカルシンキングと
クリティカルシンキングは違う、とかなんとか言ってるのもあって、べつに看板競争なんて(それで飯を食っておるわけでもないので)こちとら関係ないのでいっしょくたに理解してるのだけれど、しかしいずれにせよ、ロジカルであること、クリティカルであることというのはそもそもの生き方のようなものなので、技術的にぱっと習得できる程度のことはどうしたって薄っぺらいわけだし、薄っぺらくても最低限身につけておかないといけないようなことは、最低限のことなので読んで面白かったり驚いたりすることもない。どうも、自分自身がロジカルなわけではないにもかかわらず、
ロジカルシンキングなんかに冷淡なのは、ひとつには、学生時代にA.エリスの「論理療法」というのをチラ見してそのへんが薄っぺらいなあと思ったってこともある。ひとはしばしば不合理な言動をみせるけれど、それを言葉の字面の上で合理的に矯正してみたってなにがどうなるものでもないし、またその程度で解決する悩みならそもそも薄っぺらかったのだ、みたいな。もちろん、現実問題として多くの人の悩みなんて薄っぺらいものなのだからそれで解決してけっこう(いま大注目の
認知行動療法ってそうですよね(
http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20110317#p4))なのだけれど、他人のそういう薄っぺらい悩みの薄っぺらい解決って、本人は大いに悩んでるにせよ他人事として客観的に見たらほとんどアホみたいなあたりまえのことなんでねえ。
で、この本。同じ著者の『「ホンネ」を引き出す質問力』(
http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20101026#p1)のときと似たような感想で、最終的には
ファシリテーションのほうにひっぱられていくかんじ。
ファシリテーションのプロセスの前提として、ロジカルであることは必要っていうか、グループ参加者も
ファシリテーターも誰もロジカルじゃなかったら難渋するわけなので、そのいみで、ロジカルなシンキングは大切ってことになる。なので、この本では、論理的かつ批判的な考え方、べつの切り口からいえば属人的でない論理だけで成り立つ思考法というのを、練習していく。そのうち、
フレームワークが出てきたり
ファシリテーショングラフィックが出てきたり、合意形成みたいな話になってきて、ようするにそのへんに着地する。