『クラウド時代のタスク管理の技術』。「うへえっ」の本ふたたびあらわる。

「一日一箱」(http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20100227#p1)の人が、その理屈を実行したらどうなるか。なあに、Todoのひとつひとつに時間見積もりをつけて一日のスケジュールに入れ込むだけですよ。と、口で言うのは簡単だけど、それではあなたは来週の今日、トイレに何分間行く、爪を何分間で切る、というスケジュールを立てているか。まさか、と思った人、ではあなたは来週の今日、トイレに行かないのか、と問いつめられれば、きっと行きますと答えざるを得ない。今からわかっているルーティンなら予定が立てられるはずだ。そしてすべての予定に時間見積もりをつけてスケジュールに入れていくからこそ、「一日一箱」が成立する。すべてというのはつまり、すべてということだ。そうしてすべてがTodoリストに並んでいたら、後はそれに従ってこなしていくだけ。ついでにいうとそのTodoはクラウド上に置いていて、そのことによってPCからもiphoneからもストレスなく使える。トイレに行くとかそういうことなわけだが。
この本は、著者の人が実際にそうやっている、ということを説明している。「うへぇっ」となる本(http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20111130#p1、この本を薦める書評を書いていた人が、このたびの本の著者であるわけで、つまり、「鬼気あふれる調子」で「一言で言えば、本書全体で行われていることは、異常なのです」というのは、自著とダブって言ってたってのもあるだろうといまにして思うわけである)またしても登場、しかも相当の強敵である。これはすごい。まず、変わったことをやっているとか病的だとか、著者の人自身がたびたび言われていることを十分にわかってやってるのがすごい。いや、たしかに異様だけど、病的っていうのではなくて、まともなんだけれど、しかし、すごい。まねするかといわれれば、むりですと答える。しかもこの本、理屈から言えば、すべてをTodoに流し込むことに眼目があるので、やるとなれば一週間後のトイレまでスケジュール化するところまでいかざるをえない。やるかやらないか、である。やりませんよ、ということになる。ではそれならこの本はおもしろくなかったか、というと、いやあ、なんかすごいもの、エクストリームなものを見てしまったという感じはあるわけで、そこからはやはりなんらかの感化を受ける気がするんである。たとえばタスクに関する割り切り方、とか。