通勤電車で読む『3.12の思想』。

3・12の思想

3・12の思想

『無産大衆神髄』『愛と暴力の現代思想』の人なので、信頼を置いている。で、語りおろしのこの本、「3.12」だと。その心は、「3.11=震災」と「3.12=放射能拡散」を切り分けないといかん、そして、「3.12」は今始まったばかりの問題であって、これを直視しないといけない、けどね、という話。まぁしごくもっとも&だいたいまんべんなく賛同を得られそうなことの書いてある本。この人は震災があったその日のうち、原発の異常の第一報が報じられた瞬間に、子どもを連れて東京を離れている。その行動をとった者が言える事、というのがあるわけで、その点ではすっきりと筋の通ったことを言っている本。でもまぁわかりきったこと以上のことは言ってないってのもあるけれど。さすがにいろいろとかっこいい言い回しはあるけれど、いちばん感動的だったのは、あとがきかも。