DVD『鴻上尚史の声のレッスン』。まぁレッスンっちゅうか講義が多いが、悪くはない。

鴻上尚史の「声」のレッスン 〜魅力的な「こえ」の作り方〜 [DVD]

鴻上尚史の「声」のレッスン 〜魅力的な「こえ」の作り方〜 [DVD]

以前読んだ『発声と身体のレッスン』がよかった(http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20120620#p1)のでDVDを見てみた。レッスンっちゅうので、レッスンの映像が多いのかと思っていたら、分量的には講義のほうが多かった。そのいみでは、本のほうが内容がたくさん入っている(60分の講義ビデオより、300頁以上ある本のほうが、情報量的にはだんぜん多い)。ビデオを見ながらそれをまねていろいろなレッスンをやる、みたいなつくりにはなっていないんで、そういう用途ならむしろ本のほうがいろいろ書いてあっていいかも。でも、なにせ本からは「声」が聞こえないので、それが決定的なんで、つまりDVDと併せて見るのがやはり正解。あとまぁ、講義のビデオとしても、鴻上は飄々として喋っていて、本とは違ってアカデミックな印象がなくて、まぁおもしろい。で、最後のところでけっこううむうむと思ったのは、発声のレッスンは結局ひとそれぞれのからだにあったことをやらないといけないので自分で自分のやるべきことをきちんとかんがえながらやらないと、いけない、あるいは教える側は自分自身がうまくいったやりかたを押し付けたりすると、うまくいかなくなってしまうかもしれないしのどをこわしてしまうことになるかもしれない、と。それはなるほど、ということで、だからこのビデオも具体的なレッスンをしつこく盛り込まなかったのかな?と妙ななっとくのしかたをしたり。
発声って、やっぱり自己表現とか自分の身体性への気づき、みたいなことなので、学生さんが、たとえば初年次とかでも、大学生としての基礎教養として、こういう発声のレッスンをしたりするのもいいかなあと思ったし、たぶん教員も研修なんかでこういうレッスンとかやるとおもしろいんじゃないかなとかね。