- 作者: リチャード・モラン,岩舘葉子
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2004/09/19
- メディア: 単行本
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死刑、というのがあって、そのやりかたとして電気椅子ってのがあって、その電気椅子による処刑のはじまりのものがたり。電気椅子による処刑を推進したのが発明王エジソンだということ。でもって、電気椅子は残酷性のない人道的な処刑手段だということで導入されたということ。アメリカでは19世紀初めごろは公開処刑だったけれどそれが非公開の「人道的な」処刑へと切り替えられていったということ。それはそうなんだが、こと電気椅子の導入の背景には、草創期の電力業界の覇権争いがあるということ(電流戦争 - Wikipedia)。直流送電に固執したエジソンが、ウェスティングハウス社の交流電流へのネガティブキャンペーンとして、ようするに交流電流は致死的に危険だぞという宣伝のために、商売敵の発電装置を使った処刑装置を提案した、という筋書きがあること、等々。そこに、「残酷で異常な刑罰」の定義を巡る法廷闘争の詳細がからみあって、読ませる。