通勤電車で読む『博物館へ行こう』。学生に勧める関係で。意外にもよかった。

博物館へ行こう (岩波ジュニア新書)

博物館へ行こう (岩波ジュニア新書)

例によって学生に勧める新書本として紹介されてたのを自分も読むコーナー。岩波ジュニア新書。ところが、ジュニア新書とかちくまプリマー新書とかで、往々にして、どこがジュニア向けやねんというのがあるわけで、小難しかったり議論が抽象的だったりして文章の文末だけ「ですます調」に変えましたみたいなんがけっこうあってうんざりするわけだけれど、この本はちゃんと、中学生か高校生ぐらいに向けて書かれていて、中学生や高校生が博物館に興味を持ってくれるようにという願いが伝わってくる。好感が持てる。
てっきり学芸員の人が書いているのだろうと思って読み始めたら、著者は、東京藝大デザイン科で「環境造形デザイン」というのを専攻したという、東京国立博物館の「展示デザイナー」という肩書の人。きのう読んだヒゲ坊主の人の『コミュニティデザインの時代』と、じつはデザインつながり、内容的にも、ヒトやモノをデザインすることで経験をデザインする、みたいな発想はいっしょだったわけである。