『NO FUTURE―イタリア・アウトノミア運動史』。後ろから読むべき本。

NO FUTURE―イタリア・アウトノミア運動史

NO FUTURE―イタリア・アウトノミア運動史

この本、アウトノミア運動史とあるけれど、本文を読んでいる限り歴史的な記述は少なくて、理論的なというか、ちんぷんかんぷんなことがずっと力説されている。ところでこの本、本文は半分強ぐらいの分量で、あとの半分弱ぐらいの分量は、後ろから読む横書きのページで、訳者たちによる解説的な論文2本に原著者のインタビューが挟まれているという構成になっている。で、結論から言えば訳者による解説論文の二番目、北川って人の文章をまず読むと、これがいちばんふつうに読みやすい、なるほどアウトノミア運動ってそうなのかみたいな入門になってて、そのあともう一人の廣瀬って人の文章は60年代にさかのぼって、原著者のビフォって人をネグリとの関係で描き出していて、そのあと原著者のインタビューを読んで、それからまぁ気が向いたら本文の最後の章、日本向けに書かれた「世界中のひきこもりたちよ団結せよ 日本の読者たちへ」というのを読んで、それからさらに気が向いたらあとは本文でも序文(3つもある)でもぱらぱらと読んだらいいと思う。
それで、読みながら、日本の今の状況のことを考えたりするとよかろうし、若い人たちの動きについて考えたりできると思うし、それもやはりイタリア・アウトノミア運動史と重ねて数十年のスパンで思い描いたりしてみるとさぞかしよかろうと思うし、あるいはさしあたりこれから3日ぐらい後やそれから先のことを考えるのもよかろうと思う。