『妻よ薔薇のやうに』見た。けっきょく誰がどう薔薇のようだったんだ!?とわからないまま面白かった。成瀬ならではのダメな男に満足。

DVDは出てないのか。
http://www.jmdb.ne.jp/1935/bk002840.htm
なんかYoutubeに出てるようだが・・・

本日は成瀬。タイトルからして、薔薇のように可憐な妻が出てくるのかと想像しつつ見始めたところ、なんだかえらくモダンなオフィス街の風景からスタート、可憐というのともまたちょっとちがうかんじの女子が登場、これが薔薇のような妻なのか、と思っていたら、そうでもなくてその母親というのが結論としては薔薇のようであるらしい。というのもこの映画の中で「妻」であるのはほぼこの母親だけなので。薔薇かどうかはともかく、短歌など嗜んで新聞に投稿したりして載ったりしている、お金はとらないけれどお弟子もいる、外出先から帰ったら文机の前に直行して「インスピレーションが・・・」などといって何やら書き物をしている。さてその夫、さいしょの女子の父親、という人物はというと、これがなかなか出てこない。というのも、家を出て東京を離れて愛人らしき女と暮らしてもう10年ほどもたっているようなんである。もはやこの段階で、どこがどう「妻よ薔薇のやうに」になるのか、わかんないですね。
しかし、娘とその彼氏が軽くコミカルでモダンな芝居をして、お話半ばで本格登場の父親はいかにも成瀬的なダメな男、で、愛人のほうの娘と主役の娘との気まずい入浴シーンは『浮雲』を先取りしなくもないわけで、おっと思わせる編集もあり、あれやこれやで、最終的には観客もなるほどなっとくのラスト、で、画面いっぱいに薔薇の花が咲き乱れることになる。