なんとなしに読む『なぜ戒名を自分でつけてもいいのか』。橋爪の仏教モノ。

なぜ戒名を自分でつけてもいいのか (サンガ新書)

なぜ戒名を自分でつけてもいいのか (サンガ新書)

『ゆかいな仏教』(http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20131204#p1)に先立つ、橋爪のサンガ新書の仏教モノ。まぁ理屈は同じで、仏教の教えを基本に帰って説明して、その仏教が日本に来てどこをどうしてこうなったか、「戒名」などというものが出てきたか、ということを説明して、けっきょく、戒名は自分で自由に考えてしかも生前に付けたらいいだろう、というオチに至る。ま、そういわれればそういうのもありかな、という気にはなるけれど、まぁもちろん、さしあたり戒名をどうこう、みたいなことは考えてないしべつにそれでもかまわんだろう。ようするにこの本、『ゆかいな仏教』よりもシンプルに(あんなに厚くない)、仏教の理屈を説明して、とくに日本の仏教の(or「宗教」の)なんとなしのイメージになんとなく浸ってあたりまえだと思っている人(たとえばそれは「死んだらお寺さんに戒名をつけてもらう、というのをあたりまえの仏教的伝統と信じて、またそうしないと成仏できないというのを宗教的信仰だと思っている人」に代表されるわけだけれど)に対して、仏教はもともとそういうんじゃないですよ、と説明する本。そのいみでは、学生さんあたりに勧めるといい新書なのだけれど、まぁ、このタイトルで学生が興味を持つとはとうてい思えないのでスルーしたけどな。