通勤電車で読む『私たちはどうつながっているのか』。ネットワーク論ねえ・・・。

私たちはどうつながっているのか―ネットワークの科学を応用する (中公新書)

私たちはどうつながっているのか―ネットワークの科学を応用する (中公新書)

学生に勧める新書本を読むシリーズ。同僚の先生のおすすめで、学生に勧めるリストに入れたので自分でも。著者の人は、ネットワーク論、の人。ネットワーク論ねえ・・・。ネットワークなるもの、という対象を設定して、そこにある特性を論じる、と。それが「スモールワールド」であったり「スケールフリー」であったり、するのであると。「クラスター」であったり「ハブ」であったりという概念で、ネットワークとその部分のありようを言い当てる、と。そんなこんなしているうちに、なにかが見えてくるよ、というわけなのだけれど、それを、人間が登場人物になる社会的なネットワークについてあてはめて考えると、なんかあまり新しいことが解明された気にならないところが気になる。たとえばGoogleがWWWのリンク構造を解析してページランクを作る、その際にネットワーク理論の数理モデルが大活躍だよ、といわれれば、それはそうだろうなとすなおにありがたがる気持ちになりそう。でも、なんか、具体的な人間とか組織が出てくると、なんかべつにネットワーク論じゃなくてもわかっていることを専門用語で言い直しているような気がしてくるのはなぜか。