『「闘争」としてのサービス』。第一部だけエスノメソドロジーが入っている。

「闘争」としてのサービス

「闘争」としてのサービス

ふとしたところでエスノメソドロジーのということになっている論文を読んでいたら、関連の書籍が出てたということで、読んでみた。3部構成で、第一部が実際のサービスのやりとりの分析、第二部が理論編で第三部が実践に向けた問題提起のようなかんじ、ということで、第一部だけエスノメソドロジーが入っているようだ。
世間ではサービスとか顧客満足とかかんたんにいうけれど、鮨屋とかフレンチとかそういう上等のサービスはけっこう無愛想で、マクドとかファミレスとかそういう安いところほどスマイルとかどんどんやってくるわけで、意外に逆なんじゃないの?という日常的なちょっとした気づきがおはなしの出発点になっていて、そこで高級鮨屋を範例としてサービスを考える、すると、「闘争」としてのサービス、というアイディアがでてきましたよ、というおはなし。客が緊張するような高級鮨屋では、店が客を値踏みして店と客とが互いに自己呈示と相互承認をめぐる死を賭したヘーゲル弁証法的闘いが繰り広げられるので理論的にいうとブルデューの卓越化の理論ぐらいは序の口でソシュールとかデリダとかジジェクとかラクラウ&ムフとかフレデリック・ジェイムソンとかバルトとかクリスティヴァとかバフチンとか、ニーチェの悲劇の誕生とか、あと忘れた、によって説明されることになるというような話だったのだと思う。