『キル・ビル』1&2みた。

見ようと思いつつ見てなかったタランティーノを見るシリーズ。気がつけば10年以上たっているのだった。ふつうに1のがよかった。もともと一本になるものを2本に分けたということで、まったくテイストの違う二部作になったということで、まぁ本など見てると1はダメで2はいい、とか書いてるのもちらほらだけれど、いやまぁふつうに1のがいい。『キル・ビル』のパブリックイメージどおりのキッチュで高純度&高密度なストレート&ハイスピードB級バイオレンスアクション映画が1で、2のほうは、いきなりフィルム・ノワールで始まってヒロインと宿敵ビルの愛憎の過去をたどり、物語はあちこちでぽっかりと停滞し、アクションは爽快であるよりじわじわと残酷で陰惨になり、クライマックスは突然に一瞬で終わり、後味がいいのかどうなのかわからない最初と同じフィルム・ノワールで幕を閉じる。たしかにこの2本を合体させていい塩梅に混ぜ合わせたら、バランスのいい緩急自在の映画になってたのだろう、と思わせるけれど、たぶん4時間近くなるだろうその作品を見たとしたら、「結局あのキッチュな復讐アクションのところだけでいいよね」とか言いたくなりそうで、つまりそういう自分の好きそうなところを切り出してつなぎ合わせた純度の高い1本が、1ということだったのだろう。