『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』。初年次教育にいいかも。「エクセル1」はマインドマップの原理。

トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術

トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術

さる方が言及していておもしろそうだったので。まぁ、書類はA4いちまいにまとめるべし、みたいな、まぁありがちな話かな、ぐらいに思っていたけれど、読んでみて途中から、紙一枚を使ったアイディア出し→まとめ、のやり方が出てきて、「自己紹介スピーチ原稿を作る」あたりの例はそのまま初年次教育に使えるな、と思いつつ、ふと気づけばこれはマインドマップと同じ理屈をもうちょっと散文的にしたものではないだろうかと思った。で、マインドマップよりも合理的だと思った。そしてそのあと、同じシートを使ったノートテイクのやり方が出てきて、おおこれもマインドマップでノートテイクというのと同じ理屈でしかもマインドマップより使えそうじゃないかと。
とかなんとかいいつつ、この本なかなかよかった。すぐ読めるのも学生さん向け。

著者のウェブサイト。なんか動画もあるようだ。
「”伝わるカイゼン”「1枚」ワークス -"1sheet" FrameWorks-」 http://asadasuguru.com/

いやまぁ、読後しばらくしてふりかえってよく考えたら − まぁよく考えるまでもなくそうなんだけど − マインドマップを散文的合理的に、というのはお話が逆で、従来からふつうにある「紙面を使ったアイディア出し→まとめ」のやりかたをとりわけ魔術的に(右脳が何とかかんとか、みたいな理屈をつけて)したのがマインドマップ、といういいかたもできるわけで、だからこの本のやり方なんかは、まぁ従来からふつうにあるものですよと言われたらまぁそのとおりですねという気がしてきた。のだけれど、たぶん読んでるときに、なんか自分が昔マインドマップ物を読んでたときの印象を思い出したってことなわけで、まぁ「自己紹介スピーチ原稿を作る」「ノートテイクをする」という課題が、マインドマップ入門本に出てきてたなあ、でもってそれを初年次教育にいいかもと当時思ってたのと重なったなあ、ということでもあるのだけれど。まぁしかしともあれ、この本、シンプルにまとまっていて、初年次教育にはいいかもしれないし、マインドマップを教えるよりは散文的でいいと思っているのは確か。

あと、なんていうか、物理的な紙面へのアプローチ、っていうか、そういうのが好印象だったってのはある。一覧性のあるぺライチの書類を相手に見せて「該当箇所を指差しながら」説明する、みたいなところとか。あと、16分割したマトリックスにキーワードを書き込んでいくんだけど、そのあとに色ペンでぴゃっぴゃっと丸とか線とか矢印とか書き込んじゃうかんじとか(そのへんは、だから、PCの画面上よりは物理的な紙のほうが合ってる)。そういうフィジカルなところを見ているのが、しっくりくる(し、まぁしつこく言うと、一瞬マインドマップものを想起したのもそのへんの感触も理由と思う)。