『読めよ、さらば憂いなし』。紹介されている本たちをほんとに読みたくなる(読んだらほんとに憂いがなくなる気がする)。よい本。

読めよ、さらば憂いなし

読めよ、さらば憂いなし

以前、『文藝別冊 谷崎潤一郎』の中に載っていた文章がおもしろくて、それで気になっているうちに小説も手に入って読んで(http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20150426#p1)、なかなかいいと思っていた著者の新刊が出たようなので、欲しいと思っていたら、某日、散歩に出かけて、復刊2号目の『STUDIO VOICE』を手っ取り早く手に入れようと入った某観光地的書店で、しかし『STUDIO VOICE』は見当たらなかったものの、平積みになっていたこの本を見つけて、購入(そのご何軒かはしごをするも、『STUDIO VOICE』はどこでも品切れで、どうやら『STUDIO VOICE』購買層が局地的に集中しているエリアではあったようなのだが、けっきょく市街地の大書店で購入、そのまえにパウエルのCDとか森崎東のDVDとか中古で買えたので結果ほくほく)。それで、枕元に置いて読んでたけれどとてもよかった。基本的にはいろいろな雑誌とかに書いていた短い書評とか本にまつわるエッセイとかをまとめたもので、だからこの本がとてもよかったというのはイコール、この本に紹介されていた本たちをほんとに読みたくなるし、読んだらほんとに憂いがなくなる気がする、ということ。いろいろな小説(やマンガや映画など)の、ここを読めよ!さらば憂いはなくなるであろう!というところをきちんと拾って紹介しているんで、この著者の人が、いい本をちゃんとみつけて、正確に読んで、思い切り共感して、おしみなく紹介する人だなあというかんじ。ところでこの著者の人が昔、書店でアルバイトしていたというのが気になって、自由なかんじの書店でアルバイトに棚を任せてくれるような書店というと、この本をまさに買ったところがそうなのだけれど、そうなのか?