『ハワイの夜』『ハナ子さん』みた。

新東宝映画傑作選 ハワイの夜 [DVD]

新東宝映画傑作選 ハワイの夜 [DVD]

ハナ子さん - Wikipedia
マキノ雅弘 - Wikipedia
なぜかYouTubeで見れるマキノ。『ハワイの夜』はたぶん適当にダイジェストにした15分ほどの映像。昭和28年の作品だそうで、『映画渡世』を見ると、東宝で『次郎長三國志』を撮っているあいだに新東宝で撮りあげたもの。さいしょはムリってことで別の監督に任せてハワイロケをやったはいいけれど、どうもうまくまとまらないと泣きつかれて、『次郎長三國志』の傍らマキノが編集していたのだけれど、やはり日本で撮るセット撮影の芝居場面はマキノが撮らなければお話にならんということで急遽、くどいようだが『次郎長三國志』の傍ら突貫工事で五日で撮りあげて、それから岸恵子のあっぱれなエピソードがひとつあるけれど省略してともかく、東宝『次郎長三國志第二部』・新東宝『ハワイの夜』のお正月映画同時封切りに間に合い、両方とも大入りにしたという、まぁ『映画渡世』はそういうワクワクする逸話ばかりでたのしいわけだけれど、さしあたりこのYouTube動画だけ見ていたら、ダイジェストっていうかほぼ鶴田浩二がにやけた二枚目だったということだけが伝わる。
『ハナ子さん』のほうは、昭和18年の作品で、ミュージカル。まぁ、当時の嫁の轟夕起子東宝に入社するというので、夫婦で一本撮れという命がくだり、嫌々ながら撮ったもののよう。企画は人気漫画の『ハナ子さん』、時節柄、戦意高揚映画ということなのだけれど、これを楽しげなるミュージカルに仕立て上げ、東宝のダンシングチームを大胆に使ってバスビー・バークレーのような?幾何学的でモダンな視覚効果を取り入れて、そういうところではしっかり面白い作品にしている、のだけれど、内務省情報局の検閲になぜか引っ掛かり、灰田勝彦がハワイ生まれの二世だからけしからんとか、高峰秀子がペットの狆を抱いて歩いているのが「米英的」だとか、ラストシーンがススキ野原なのが「敗戦思想」だとか、あれこれ難癖をつけられて大変だったとか、このあたりのくだりも『映画渡世』で読むと面白い。でまぁ、検閲はともかくなのだけれど、バスビー・バークレー的なダンスシーンやコミカルな軍歌ミュージカルシーンは普段のマキノのシャープなカット割りとは合わないというか、まぁマキノにしては間延び感があるなあというのはあった。あとまぁ、昭和18年の映画なのに空襲の場面があって、これはたぶん空襲でもまだ序の口のやつであろうとか。

そんなこんなで今年は都合30本ほど。年末に駆け込みで固め見してつじつまを合そうとするも、そのエネルギーも足りなかったということで、回復基調にブレーキがかかったかんじ。
2015年・・・30本
2014年・・・87本
2013年・・・46本
2012年・・・41本
2011年・・・31本
2010年・・・21本
2009年・・・17本
2008年・・・38本
2007年・・・73本
2006年・・・62本
2005年・・・36本?