『クロユリ団地』みた。こわそうなんだけど何を怖がればいいのかポイントがつかみにくい。

クロユリ団地 スタンダード・エディション [DVD]

なんとなくＪホラー的な流れで。なんだけど、さしあたり最初に怖くなるのが４０分ぐらい経ったころで、なんかこう、だいじょうぶだろうか、と思っていたら、なんかこんどはお話半ばにしてにわかに種明かし的なことがばらばら出てきて、こわそうなポイントが複数出てきてどれを怖がればいいのか判然としなくなってくる。よくわからないままクライマックスらしきものが訪れ、こわそうポイントが勢ぞろいで襲いかかってきて、でも脈絡がよくわからないので、何がどうなるとやばくて何がどうなると助かるのかが判然としないで、煮え切らないかんじでわーと思いつつ見ていたら、よくわからないやつがよくわからない理由でよくわからないことになり、これはやはり望ましくないエンディングなのだろうということはなんとなくわかるのだけれど、じゃあ何がどうやばい結末なのか、たとえばこの人がこのクロユリ団地に引っ越してこなければ何事もなかったはずなのに引っ越してきたばかりにこんな悲劇が、みたいな文脈がわかればいいのだけれど、たぶんこの人は仮にクロユリ団地に引っ越してこなくてももともとハッピーエンドではなかっただろうし、じゃあこのエンディングの状態が具体的にどう悪い状態なのかがさっぱりわからないし、つまりこのお話のあれやこれやあったドタバタがけっきょくなんやったんかがさっぱりわからなかったんである。
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そういえば、この監督の中田秀夫、『仄暗い水の底から』でやはり「呪われたマンション」モノのホラーをやっていて、その時はたしかちゃんと定跡どおりのストレートな展開でやってた。あるマンションの部屋に母娘が引っ越してきて、なんか様子がおかしいけれど住んでいたらだんだん薄気味悪いこと（集合住宅的無意識の琴線に触れるような絶妙に薄気味悪いこと）があれこれ起こってきて、とうとう娘のほうが呪われた世界に引きずり込まれ、母親が奪還に向かい、盛大にホラー的なクライマックス、解決して夜が明けた、めでたし、みたいなたしかそんなかんじ？（いまあれこれ検索してあらすじを見たら、自分の記憶とはちょっとちがうエンディングなのでたぶんそっちがほんとだろうけど、いずれにせよ）。まぁ定跡で、それでいいんじゃないか、と思うのだけれど、まぁひょっとしたら、定跡はもうやったので同じことをもう一度はやらないぞということかもしれない。