ウディ・アレンというのは、まぁ世代的なあれとして見るべきとしたもんなんだが、けっこうある時期以降のはぱったりと見てなくて、
Wikipediaの
フィルモグラフィーを眺めていると、だいたい『マンハッタン殺人ミステリー』(1993)か『ブロードウェイと銃弾』(1995)あたりを境に、そのあとはほぼ見てなくて、『ギター弾きの恋』(1999)をぽつっと見たぐらい。で、いくつかテレビでやってたのを録画して
積読になっているわけだけれど、このまえBSでやってて録画した『マッチポイント』をなんとなく見た。もっぱら
スカーレット・ヨハンソンをたのしみに見た。おはなしそのものは定番なはなし。コメディではない(たぶん)。上流階級の一家の「感じのいい」ふるまいがいかにもいやったらしくて、そのへんを笑いながら見るものかもしれないけれどわたくしは不快が勝って笑えはしなかった。ともあれ、主人公のテニス教師の青年が、まぁ出自的には冴えなくて、ロンドンに出てきて狭いアパートに住んで
ドストエフスキー入門とかちら見しつつ『
罪と罰』かなんか読んでたりする。それで、ひょんなことで意気投合したもう一人の青年がじつは上流階級で、テニス青年はその妹に見初められて付き合い始める、そこでまた
スカーレット・ヨハンソンに出会い、ぐぐっと惹かれるのだけれどじつは
スカーレット・ヨハンソンは上流階級兄の婚約者だったと。で、上流兄・上流妹・テニス青年・スカーレットヨハンソン、という4人でダ
ブルデートとかしてたら、どうやら
スカーレット・ヨハンソンは
アメリカの田舎から流れてきた女優志願で、4人で喋っていても上流兄妹とは世界が違ってどう考えてもテニス青年と同じ匂いですよと。でまぁなんやかんやあるけれど
スカーレット・ヨハンソンをあきらめたテニス青年は上流一家に気に入られて上流父の会社の重役みたいなポストも与えられ、あっさり上流妹と結婚してしまう(このあっさりぐあいが笑うところかも)。ところがきがつけば上流兄は
スカーレット・ヨハンソンを振って別の女とあっさり結婚してしまう(このへんのダブルあっさり結婚は笑うところなのだろう)。もっと早く言えよ!上流妹と結婚しちゃったじゃないか!というところで、テニス青年の苦悩のはじまりで、もやもやしてるところに、姿を消していた
スカーレット・ヨハンソンが舞い戻ってきて・・・とかなんとか。でまぁなんやかんやあって、さて結末やいかに、というところなのだけれど、冒頭シーンのわざとらしいテニスボールのくだりがどうせ再現されるぞ、と思った瞬間に本当に再現されて、おおそうなのか、と思っていたら、まぁ結末はご覧のとおりということになるわけで、さてそのへんはなるほど
ウディ・アレン(暗いほうの)だなあと思いはしたけれど、膝を打ったとか感心したとかというところまでいくかというと、まぁ「なるほど
ウディ・アレン(暗いほうの)だなあ」というぐらいの納得感。