『ローラーガールズ・ダイアリー』みた。

ローラーガールズ・ダイアリー [DVD]

ローラーガールズ・ダイアリー [DVD]

よいというので見た。ドリュー・バリモアが監督で、これがなかなかだと。で、なるほどよかった。
おはなしとしては、非常に定番どまんなかのはなし。テキサスの田舎町の女の子(たち)のはなし。なにもない町の国道沿いの喫茶食堂でバイトをやっている女子高生が主人公。文系のメガネっ子で、しっかり者の親友女子(学校友達でもありバイトも一緒にやってる)がいると。で、母親はこの主人公女子を地元の美少女コンテストで優勝させたい(自分が若いころいいところまで行って挫折した?から)というステージママで、主人公女子も母親の言いなりに美少女コンテストなんかにも出ているけれどいまいちぱっとしない。で、あるときオースティンに買い物に出てきて(というのは都会、ということで、まぁアメリカの土地勘はわからないけれど、佐賀あたりの田舎町の子が博多に出る、ぐらいのかんじ?)、そこで偶然に、ローラーゲームの女子チームの入団募集のチラシをもらって、一目見て「入りたい!」と思ってしまう。で、入団テストに行って、ローラースケートの走る速さがだんとつだということで、めでたく入団することになる(ただしいちばんのポンコツチーム)。同時に、ローラーゲームの会場ちかくにいた男子(ちょっと草食っぽいバンドのギターくん)といいかんじになってつきあいはじめる。でまぁ、なんだかんだあって・・・というおはなしで、まぁようするに定番なのだけれど、これたぶん意外と見ていて最初わかりにくいのは、説明をあまりしないでぽんぽんと進むからで、まぁもう少し説明的なことがあれば親切だなあと思う。たとえばこの主人公女子の立ち位置は、田舎の高校のスクールカーストの中ではあんまり高くなくて、バイト先の食堂に学校のフットボール男とチアガール女子たちがやってきてチップも出さずに「大食い挑戦メニュー」でバカ騒ぎしてるのをシラケて見ている(チップも出されないということで、まぁ彼らの眼中に入ってないということでもある)、という立ち位置なのだけれど、これもう少し学校の中でわかりやすくないがしろにされるとかいう説明的シーンがあれば、わかりやすいわけである。で、まぁ、そんな説明的シーンは入れませんよと。また、ふつう考えて田舎の文系メガネ女子高生がいきなりローラーゲームの特異な才能を発揮するというのは「?」となるんで、まぁ伏線として、小さいころからローラースケートだけは上手かったとか人ごみをすり抜けるのだけは器用だったとか、そういうのを入れておけば、見ててもついていきやすいだろうと。でもまぁ、そういう口実みたいな説明は入れませんよと。ついでに、「入団後に血のにじむような練習をして徐々にトップ選手にのしあがりました」みたいな説明的シーンも省略。まぁおよそそういう種類の、お話のつじつまをあわすようなシーンは省略。そのへんはどうせ定番のおはなしなのだから、ぽんぽんとつごうよく進む。で、じゃあこの映画、何を映しているのかというと、閉鎖的な田舎町で鬱屈していた文系女子が、ローラーゲームに出会って、はじけるような笑顔&ガッツポーズでいきいきするよ、ということで、また、ローラーゲームでは女子たちやお姉さんたちがハツラツと暴れまくってるよ、ということで、そういう女子たちやお姉さんたちの友情っていうか連帯っていうか、そういうのがとにかく映ってる映画。まぁいまふう女子版の『カリフォルニア・ドールズ』っていうか。