通勤電車で読む『政治家・橋下徹に成果なし。』。薬師院さんの仕事なのでおもしろいのだけど。

政治家・橋下徹に成果なし。

政治家・橋下徹に成果なし。

薬師院さんの本が出てたのに気づいた。まぁ、薬師院さんの本なのでおもしろいしためになるし、まぁ薬師院さんがやってくれなかったらじゃあ他の誰かがやってくれたかっていうとやはり薬師院さんだからこういうトーンで本が書けたのだろうとは思う、のだけれど、もうそろそろ橋下さわぎにつきあうのは誰かに譲って、本来の理論的な研究に注力できるような状況になってもらいたいなあと。そのへん、なんだかんだいって薬師院さんは放り出さないんである。でもまぁ、消耗だろうなあと思うのだけれど。そして、まぁ橋下さわぎに関しては、この本が書かれたタイミングではさしあたりいわゆる「都構想」住民投票なるもので橋下一党が一回こけたわけで、だけどこの本の終章であきらかなように、ぜんぜん巻き返しを狙ってきているわけで、そして現在を見ると、なんかいよいよなかんじも。なわけで、こういう具体的な事柄の次元で言えば、まぁ大きな枠でいえば、暗澹たる気分になる状況しか見えてこない気がする。そして、だとすれば、その具体的な事柄にこうして付き合って最善の仕事をして抵抗するというのももちろん必要なのだろうけれど、でもやっぱりその次元でなにか希望のようなものを見る力がもう自分にはちょっとないかもで、むしろ理論的な次元で何か − たとえば20年後や50年後や100年後の未来に − 希望を見ることができるのではないかという、そっちの方向にしかもう気持ちが向いていかないところがあって、だから、薬師院さんには、理論的な仕事をまたやって欲しいと思ってるんである。
でまぁそれはそれとして、この本も薬師院さんならではの笑えるフレーズがいろいろあって、いちばん面白かったのは、田原総一朗ツイッターでの発言を取り上げているくだり。橋下が大阪都構想を「ある意味で実験です」と言っていることからの流れで、

・・・だが、大阪市民を実験台にすることが、なぜ「正しい政策」なのか。少なくとも大阪市民にとっては、この点が大いに疑問なのだ。さらに疑問なのは、田原総一朗氏の次のツイートに見られる、他人が実験台になることを面白がる態度である。当然のことながら、一人一人の大阪市民の人生は、田原氏を面白がらせるためにあるのではない。

橋下徹氏が敗れた。僕は大阪都構想で変えるのが面白い、地盤沈下の大阪に活力を蘇らせる事になるとおもっていたので残念だ。高齢者に反対が強かったようだ。橋下氏のキャラクターが嫌われたのかもしれない。(2015年5月18日 18:14)

面白い。なんとなく面白い。