通勤電車で読んでた『プリズン・ブック・クラブ』。

プリズン・ブック・クラブ--コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年

プリズン・ブック・クラブ--コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年

本の帯に「彼らが夢中になっているのは もはや麻薬ではなく 書物なのだ」「囚人たちの読書会」というコピーが大きく書いてある。まぁひとことでいうとそういう本。カナダで、ボランティアで刑務所内の読書会を立ち上げてるキャロルって人(女性)がいて、著者のジャーナリストの人(女性・強盗にあった経験&トラウマアリ)はその友人であるキャロルから、刑務所内読書会ボランティアにさそわれるわけである。で、最初はためらってたけど、けっきょく行くことにして、それから一年間かかわりつづけたんで、その記録ていうか思い出というかそういうのを本にしたのがこの本。囚人の人たちは、イメージと異なって本をしっかり読んで、また、まぁ課題本のセレクションがいいのかもしれないけれど、それぞれが切実な思いを持って読んでは感想を言い合うわけである。そういうのが、読書会としてはある種すごく理想的ということもいえて、だから、この本はそうした刑務所内読書会の参加者の面々 − それぞれにそれなりにごりごりの過去を経てそこに集まっているわけだし、また、囚人であるかぎりは非常にキツい、非人間的といいたくなるような刑務所の環境の中で先の見えない日々を送ってたりもするわけだけれど − と著者たちとが読書を通じて素晴しい?時間を?経験を?作り上げたというそのドキュメントなわけで、まぁおもしろいわけである。