『ホットロード』みた。殺伐とした荒涼とした感じが足らないのはしかたない。能年の顔だけ少し得体の知れなさがあってよかった。

ホットロード [DVD]

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ホットロード』といえばやはり自分的には学生のときに読んでたわけで、たまに『別マ』を買ったら連載で「瞬きもせず」が載っていたぐらいの、いってみれば紡木たくが相当にキてた時期で、だから『ホットロード』もかなりのテンションで読んでたし、今でも本棚のマーガレットコミックス棚に(いま見にいったら)『やさしい手を、もってる』『みんなで卒業をうたおう』『机をステージに』『ホットロード』『瞬きもせず』が並んでる。院生のころに塾バイトをしてたとき、生徒に貸したりしてた。まぁそういうのなので、映画化といっても、まぁそのテンションが再現されるとは思えないわけだけれど、じつはWikipediaホットロード - Wikipedia)によると紡木たくじしんそうだったようで何度も映画化を断っていたのだそうで、そりゃそうだ。でも

連載から25年以上経って初の映画化となり、脚本には原作者の紡木が監修として参加している。紡木の元には今まで何度もドラマ化や映画化の話が来ていたが、イメージに合わないという理由で全て断っていた。しかし、映画『カラスの親指』で能年の存在を知り「彼女なら和希の役を託してもいい」と実写化を許可しており、「能年ありき」の企画になっている。

だそうで、たしかに能年がやるというと、ちょっと見てみようかなという気にはなるのだった。でまぁ結果としては、まぁごくふつうの映画になっていたので『ホットロード』のあの殺伐とした、荒涼とした感じというのがしなかったのはこれはしかたない。春山はもっとヤバい、かっすかすに空虚なガキだったような印象が残っていて、人気を当て込んだ三代目なんとかのアンちゃんなんかでは再現できないよなあと思うし、和希はとりあえず途中からオキシドールで金髪にならないといけないのに能年にそこまではさせなかったんで仕方ない。ついでにいうと母親役はもっと完全に弱くてダメな雰囲気を出してないといかんとおもうのに木村佳乃ではまだまだまともすぎる。なんかふつうの母娘反抗期ホームドラマになってたぞ。とはいえ、やはり捨てがたかったのは能年の顔で、能年の顔だけが、得体の知れない空虚なかんじ、殺伐として荒涼としたかんじを出してたと思う。