『ブリティッシュ・サウンズ』見た。

先日、ふとみたら、ジガ・ヴェルトフ集団時代のゴダールのDVDボックスの続編が出ていたので購入。それでとりあえず『ブリティッシュ・サウンズ』から見てみた。意外に見やすくて、楽しく見れたとさえいえるかもしれないと言っても過言ではない。内容はいくつかの場面というかパートに分かれていて、自動車工場パート、全裸系女子パート、やばい目つきの若いキャスターが資本家の言い草をしゃべるパート、活動家の人たちがしゃべりあってるパート、それでもって大学生たちがビートルズを替え歌で革命的にしようと相談するパート。全裸系女子パートはフェミニズム的なテキストの朗読なんだけれど、まぁ困惑するというか、困惑するほうがブルジョワ的感性ということなのかと悩むというか、いやまぁブルジョワ的感性を打破すべしという口実のもとに全裸系女子を延々と映したかっただけじゃないのかと思ったり、まぁそれもふくめ困惑するというか、現在の感覚でこれはありかなしかちょっとわからないところはある。それにくらべると、やばい目つきの若いキャスターが資本家の言い草をしゃべるところは、資本家というかもう現在の日本のいわゆる自称「右でも左でもない普通の日本人です」の人たちがいつでも言いそうなこと(ヘイトとかね)をしゃべりまくっているので不快でおもしろい。そして、学生たちがビートルズを替え歌で革命的にしようと相談してるところは、妙にポールに辛辣で、まぁしかし替え歌のアイディアは陳腐で(「ハニー・パイ」は古臭くて反動的なので「マネー・パイ」にしよう、それいい、みたいな)、まぁ学生ってそんな感じだよねと温かい気持ちになりつつ、しかしでかいサングラスとかチューリップハットとか、妙にサイケでカラフルな服装で、革命とか言ってる割に服に金かけてる坊っちゃん嬢ちゃんたちだと思ったり、しかし学生なんてまったくそんな感じなわけで、画面がポップでバカっぽくてほのぼのして楽しかった。