通勤電車でとばし読みの『 知的障害のある人のライフストーリーの語りからみた障害の自己認識』。ライフストーリー研究ですね。

いわゆる「ライフストーリー研究」。ところで、学生さんの卒論でインタビューなんかやったものをまとめるときにどう書くか、というのはいつも考えるところで、まぁケースバイケースで考えるしかないのだけれど、いちどインタビューをだーっと辿って、そのあと「分析」の章、「考察」の章、ということにすると、へたすると同じ「語り」を二度三度書くことになって、それはそれでダレてしまう。しかしあるいみそれはライフストーリー研究というやり方に多かれ少なかれ付随するむつかしさなのかなとも思う(「語り」のことばを、そのことばそのままを活かしつつ、ことばの配置などにも気を配りながら「分析」するんだとすれば)。あと、「語り」の「分析」が、けっきょく読み手の恣意的な解釈になるんじゃないんですか的な例の定番のいちゃもんも、上記のような「形式的」な書き方をしていても、(それで記述が客観性を獲得してくれるわけでもなく)免れるものではないわけで、そのへんもむつかしいところ。ま、だからけっきょくケースバイケースっていうか、ライフストーリー研究をやりたい学生さんには、いいものを選んで読んで真似するのがいいよということになるね。