『
旅するジーンズと16歳の夏』見てたら、
ギリシャのシーンで、白と青の建物、青い海に面した崖と急な階段、海に飛び込んで泳ぐ女子、といった画でなぜか『軽蔑』を思い出し、とはいえ『軽蔑』はイタリアで
カプリ島でしょう、と思いながら、しかしやはりこのさい『軽蔑』をひっぱり出して再見。そうしたら、ずっと昔に見たときには、
ブリジット・バルドーがむやみに不機嫌になってわけわかんないじゃんねーと思いながら見てたんだが、再見してみたらびっくりするぐらい旦那がうざくて、卑屈で、女々しくて、DVだったんで、ふつうに
ブリジット・バルドーのいいぶんがもっともじゃないのと見直した。まぁそのぶん、以前なんとなく感じられていた不条理というか悲劇的というかそういう前衛的というか神秘的な印象がなくなって、なんかダメ男に女子が怒る!再現ドラマみたいな感じではあり、にもかかわらず
ブリジット・バルドーは冒頭
からしきりに全裸で視聴者サービスをしてる(させられてる)し(脚本家の旦那のほうは「映画とはいいものだ、カメラが回ると女子が服を脱ぐ」とかうそぶいてるし)、あげくには、まるで心変わりを罰せられるみたくなってるのは
ブリジット・バルドーのほうだし。まぁいまさらとくにこの時期の
ゴダールの
女性嫌悪に驚くのもあれだとはいいつつ、しかしあきれるところはあった、というか、まぁ正直にいって、以前はこれを自分はふつうにそんなもんかなと見てたわけで、まぁ何度目かに見るので全体が見えるようになったというのが大きいにせよ、やはり自分も年もとったし時代も変わったし感覚も変わってきたんだろうね。あと、
カプリ島に行くのがほとんど映画の終盤だったのも印象違って、『軽蔑』というと青い海と階段とあの変わった建物の印象が強かったのに、なんか島に行ったと思ったらあっというまにお話が展開して終わってしまった。あとはですね、やはりくりかえし流れるテーマ音楽がメロドラマ的にせまりくるものがあった。