- 作者: 萩尾望都
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2018/03/30
- メディア: 単行本
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自分的には萩尾望都はほとんど通ってきてないわけで、むかし姉が『プチフラワー』を買っていたので名前は知っていたし特別な作家なんだなあという認識はあったけれどその時連載されていた『メッシュ』もききおぼえはあるけれどたしかあまり関心を持って読んでなくて、その後も古典的な代表作を含めほとんど読んでない。なんだろうね、自分が少女マンガに求めるものとベクトルが違ってたのかね、『プチフラワー』的な高踏的な感じに対して、敬して遠ざけるような感覚があった気がする。なのだけれど、その萩尾望都が少女マンガを論じるというので、興味を持って読んでみたんだが、日本の少女マンガの歴史を、ふつうに作品を並べて辿りながら、それが『リボンの騎士』からはじまって『大奥』まで、という構図になっていて、つまり女の子が力をもって世に立ち向かうような姿勢、その時代時代のフェミニズム的なものが底に流れているのではという視点が提示されていて、おもしろかった。特権的な作家としての萩尾望都というよりも、少女マンガを読んで育ち今でも読み続け、読むことによって描き描くことによってまた読んでいる、そういう作家 − 映画で言うところのシネフィルのような − の語りが読めたというかんじ。